クラウドで事業リスクとコスト負担を軽減-NSK、クラウド活用セミナー開催
日本システム開発(NSK)はこのほど、東京都内で旅行会社のためのビジネスセミナー「今こそ知っておくべきクラウド活用法~事業継続とコスト削減~」を開催した。セミナーの第1部ではITソリューション事業を手がけるクラスメソッド代表取締役の横田聡氏が企業の事業継続をおびやかす各種要因と、これを回避する手段としてのクラウド活用の必要性を説いた。
横田氏は「事業を継続するには、業務を止めず、データを守り、ビジネスの変化に対応していく必要がある」とし、「3要素を満たすにはクラウド活用が適している」と説明。具体的なリスクとして、大規模災害による全体機能の停止から、電源火災や送電網の事故によるデータセンターの機能停止、ハードウェアやOSの不具合に起因する故障、大量アクセスによるキャパシティオーバーを挙げ、「コストをかければ対策は無限にあるものの、低コストで時間もかからない対策をとるならクラウドだ」と優位性をアピール。また「とくに季節やメディア、口コミなどの影響でアクセス数が激しく増減する旅行会社には適している」と旅行会社での活用を訴えた。
第2部ではクラウドサービス提供大手のアマゾンウェブサービス(AWS)のグループ会社、アマゾンデータサービスジャパンのソリューションアーキテクトの片山暁雄氏がアマゾンクラウドを紹介した。同氏によると、AWSは「クラウド」という言葉が一般化する前から、10年以上にわたりクラウドに取り組んできた。アメリカのICTアドバイザリ企業、ガートナー社の調査では、AWSは世界のクラウド市場60%のシェアを占めており、2位のシェア10%を大きく引き離し「クラウドコンピューティングの先駆者であり、マーケットシェアリーダーである」と評されているという。
また、アマゾンクラウドの特徴として「初期投資が不要」「低額な変動価格」「実際の使用分のみの支払い」「調達・構築が容易なインフラ」「スケールアップ、ダウンが容易」「市場投入と俊敏性の改善」である点をアピール。セキュリティ対策もグローバル規模で多額の投資をしており、ISO27001、PCI DSSプロバイダー認証などの第3者認証も取得しているという。片山氏は「中央情報局(CIA)の担当者から、AWSのセキュリティはCIAのサーバー以上に安全と言われたほど」と安全性を強調した。