KDL×SILが淡路島の地方創生を語る 第一回「南あわじの良さと課題」(全六回)
皆様こんにちは!兵庫県神戸市のIT企業、株式会社神戸デジタル・ラボ(以下、KDL)と申します。
本掲載では、KDLが南あわじで取り組んでおります農業のデジタル化や観光業(特に飲食店)の混雑の可視化、南あわじが抱える課題や取り組みについてご紹介します。一次産業や地方創生や街づくり、観光業などに興味のある方はぜひご一読ください。
第一回は、生まれも育ちも兵庫県・淡路島、一般社団法人スマートな島ぐらし推進協議会(以下、SIL)の理事を務める眞野 方仁様とKDLの飯塚 友哉が「南あわじの良さと課題」について対談を行いました。
―南あわじの良さとは?
写真:一般社団法人スマートな島ぐらし推進協議会理事 眞野方仁様
SIL眞野:南あわじは外からどう見えていますか?
KDL飯塚:以前までは淡路島というくくりで見ていたので南あわじ市と洲本市や淡路市を比べてみることがありませんでした。最初は島の中でもそれぞれの良さがあるのだと感じました。我々から近い淡路市のイメージが強くて、観光にも力をいれていて、海もきれいで、神戸から車で行きやすい観光スポットというイメージでしたね。
SIL眞野:そうですね、阪神間に近い淡路島の北側の部分には企業の誘致も進み、観光受けしやすい地域なのかなと感じています。半面、南あわじにはそういった観光施設は少ないです。ですが、山もあって海もあって田園もあって、自然豊かなところは魅力的だと思います。播磨灘と紀伊水道を結ぶ鳴門海峡もあり漁業も盛んです。漁業とひとくくりにできますが、海の環境が違うからなのか獲れる魚は同じでも味が違います。南あわじの魚をぜひたくさんの人に食べてほしいなと思いますね。「淡路島3年とらふぐ、沼島のべっぴん鱧」なんかも有名です。それぞれの地域で食されている魚の違いなんかもありますね。そういうのを考えると、淡路島全体が自然に囲まれた島なのでやっぱり自然豊かなほうがいいよね、と僕は思います。
写真:株式会社神戸デジタル・ラボ 飯塚 友哉
KDL飯塚:僕が先日観光で淡路島を訪れた際に、淡路市の飲食店の方から、「南あわじ市の方が昔ながらの淡路が残っていて、淡路に住んでいる人間も南あわじには懐かしさを感じる」と聞きました。
―南あわじの課題とは?
SIL眞野:そうですね。それが南あわじのいい所でもありますが、逆にとらえると開発が進んでいないということです。そこで生活をしていない方から「昔ながらの風景」が残る場所はすごくいいよね、と言っていただけるのですが、それは非日常を感じているから。それはそれでうれしいことなのですが、そこに住んでいる人間からするとそれが日常であるわけです。そして若者はその状態を好まない。若者が社会に出れば、どんどん地域から離れていくことが課題です。働く場所がないのもありますが、淡路島には大学も少なく、別の大学に進学する若者は10代で島を離れることになります。地域に魅力的な仕事が少ないというのは、若者が離れていく決定的な原因なのです。
写真:淡路島・丸山漁港朝焼け 提供:SilverNextLens
様々な街にも行きますが、その地域を盛り上げているのは元から住んでいる人ではないことが多いです。とがった感性を持った移住者が街の良さを情報発信して、その地域が盛り上がるようなモデルをたくさん見てきました。元からいらっしゃる方はどうしても保守的な考えをお持ちですよね、新しいことにチャレンジしない。逆に移住して来る方は、その魅力を最大限に発揮していこうというモデルを作ってくれていますね。移住のロールモデルとなるような方もいて、すごく頼もしい存在です。
自然豊かな南あわじは主産業と言えば第一次産業と言われる農業が中心です。若者、担い手が減少する中、これからの農業はどうあるべきか、担い手を増やすにはどうすればいいのか、我々は今、「ハイブリッド農業」に挑戦しようとしています。
ということで、次回は「人手不足を解消するハイブリッド農業と農福連携」について伺います!
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