ホテルを造るの、もう止めませんか―宿屋大学 近藤寛和氏寄稿
箱根・強羅に、とても繁盛している高級旅館があります。強羅花扇(ごうらはなおうぎ)です。2館あるのですが、感染禍にもかかわらず、どちらも高稼働・高単価を維持しています。この人気の理由の一つは、「質を犠牲にしてまで数を追わない」という経営方針にあります。宿泊業界では非常に珍しいのですが、強羅花扇は、稼働率によってスタッフ数を決めるのではなく、スタッフ数によって稼働を決めています。一般的なホテルや旅館は、お客さまの入り具合、稼働率によってスタッフのシフトを作ります。強羅花扇は、まったく逆の考えです。まず支...