国内と海外、両輪で進める「和束茶」のブランド戦略-KYOTOyui 近藤芳彦氏

  • 2022年7月18日

 KYOTOyuiの近藤芳彦です。前回は「観光×宇治茶(農業)」をテーマに和束町について書き、次回は「和束茶」についてお伝えさせていただくと締めくくりましたが、その前に最近の京都の状況をお伝えしていこうと思います。

コロナ禍で変わった人流

 まずゴールデンウイークや夏本番を迎えた京都(特に清水寺周辺)の現状について触れたいと思います。ゴールデンウイークの京都は、4月30日から徐々に観光客が増えだし、5月3日から5日は観光公害とまで言われた時を思い出すほどの凄い人出でした。その後6月下旬辺りまでは修学旅行生のみで賑わいがある街になりました。そして7月3日の今日、雨の京都は人がまばらな静けさのある街になっています。

 ビックリしたのが5月6日、それまでの3日間に比例してガラガラに近いほど静けさが戻った京都でした。桜のシーズンも同様に、一極集中でお客様が来られました。コロナ前までなら、5月8日の日曜日まで多くのお客様が続けて来られたと思います。立ち寄った飲食店の店長さんの「5月3日から5日は目が回る程忙しかったのですが、翌日はガラガラで準備したことが無駄になりました」との言葉が印象的でした。

 京都市観光協会データで発表されていますが、市内主要ホテル108施設における5月の客室稼働率は49.9%、前月比2.8%増、そして旅館の客室稼働率は64%、前月比33.6%増となり、コロナ禍で初めて60%を超える高稼働となりました。

 一方で外国人の宿泊数は依然として、コロナ禍前からの調査対象施設のみで比較すると98.9%減で推移しております。そして5月の京都市内4百貨店の総売上額は前年同月の90.7%増となりましたが、2019年同月との比較では10.4%減となっており、外国人観光客の減少の影響は大きく、まだまだ厳しい状況が続くと予想できます。

京都と沖縄、人気観光地の異なる現状

 6月末から3日間ほど沖縄へ行っていたのですが、名護市にあるザ・リッツ・カールトン沖縄で聞いた話も衝撃的でした。「緊急事態宣言時の稼働率は悪かったのですが、それ以外の日はコロナ禍にも関わらず忙しかった!」「今年の夏の稼働率はオープンして以来の高水準です」というのです。私が滞在していた時の稼働率は70%を超え、7月1日以降の宿泊は80%越えだそうです。ザ・リッツ・カールトン沖縄の外国人宿泊客の割合は10%で、同じザ・リッツ・カールトンでも京都と全く客層が違ったのです。

 京都は外国人観光客に頼り過ぎたと感じています。国内需要に対して、若年層に向けた観光商品化も合わせて進めるべきではないでしょうか。