日本初進出のバンヤンツリー、日本を5つ目の重点市場に、京都にダーワとギャリアを開業

  • 2022年6月27日

クウォンビン会長「日本のライフスタイルを大切に」

 世界各地で高級リゾートホテルを展開するバンヤンツリー・グループは、6月17日に「ダーワ・悠洛 京都」と同グループの新ブランドとなる「ギャリア・二条城 京都」をグランドオープンした。同グループとして日本初進出となる。

バンヤンツリー・ホールディングスのホー・クウォンピン会長(上)とエディー・シー社長兼CEO(下)

 バンヤンツリー・ホールディングスのホー・クウォンピン会長は発表会見で、「バンヤンツリーは、現地のライフスタイルに注目し、個性的なホテルを展開している。新規開業した京都の2つのホテルも京都のライフスタイルを反映している。間違いなく成功するだろう」と話し、日本市場でのホテル展開に自信を示した。

 また、エディー・シー社長兼CEOは、「地域のコミュニティとともに素晴らしい旅の思い出を作る体験型ホテルとして、次の旅でも選んでもらえるようにしていきたい」と意気込みを語った。

 バンヤンツリーの日本進出は、ウェルス・マネージメントとの契約で実現した。両ホテルの運営は連結子会社のホテルWマネージメント(今年10月からはワールド・ブランズ・コネクション・ホテルズ&リゾーツに社名を変更)が担う。

ウェルス・マネージメントの千野和俊代表(上)とホテルWマネジメントの近持淳代表取締役社長(下)

 ウェルス・マネージメントの千野和俊代表は、「バンヤンツリーの地域の文化を大切にし、それぞれの文化を継承していくという考えに共感した。破壊から創造ではなく、地域に溶け込んだ開発は我々のコンセプトと共通している」とコメント。歴史的背景から、三条大橋の側に立つ「ダーワ・悠洛 京都」は大正ロマンを、「ギャリア・二条城 京都」は和魂洋才をそれぞれテーマにしたという。

 「ダーワ・悠洛 京都」は、三条大橋の側に位置する全138室のブティックホテル。バンヤンツリー・グループとして、3つ目のスパブランドとなる「8LEMENTS SPA (エレメンツ スパ)」も世界で初めて開業する。メインダイニングはレストラン「GRILL 54th」。地元産の食材などを使った多彩なメニューを提供する。

 一方、二条城の南に立つ「ギャリア・二条城 京都」は、全25室のスモールラグジュアリーホテル。オープンバルコニー付きで、EMSヘッドスパ、ヨガマット、バランスボールなどを備えた「ウェルビーイング・ルーム」を全4室用意しているのが特徴だ。

131件のプロジェクトが進行中、バンヤンツリーが京都と箱根にも

 バンヤンツリー・グループは、独立系ホスピタリティグループとして、8ブランド57ホテルを23カ国で展開。新たに、自然と一体となったホテル「Escape」、ウェルビーイングを中心とした 「Veya」を立ち上げる。現在、131のプロジェクトが進行中。クウォンピン会長は「ダーワとギャリアが、多くを占め、ライフスタイルのホテルの成長が目覚ましい」と明かす。進行中のプロジェクトのうち、16件がギャリア、26件がダーワだという。

 今回の京都での日本初進出を契機に、日本市場でも事業を拡大。ウェルス・マネージメントとのパートナーシップで、フラグシップブランドである「バンヤンツリー・東山 京都」(全52室)を2024年春に、「バンヤンツリー・芦ノ湖 箱根」を2026年に開業する予定だ。このほか、Terraform Capitalとのパートナーシップで、2025年には50室のリゾートホテルと113室のレジデンスからなる「カッシーア・比羅夫(ヒラフ) ニセコ」を開業する予定。

 さらに、バンヤンツリー・グループは今年5月に、イントランス・ホテルズ・アンド・リゾーツと戦略的な提携も発表。日本でのコンバージョンのプロジェクトにも注力していくことを明らかにしている。同社は現在、中国、東南アジア、インド洋・中東、欧米を重点市場としてホテルを展開しているが、シー社長兼CEOは「今後は、日本を5つ目の重点市場にしていきたい」と意欲を示した。