旅行業の「再生」へ5つの提言-JATA、リカバリーへ観光庁長官に要望も

  • 2022年6月24日

 日本旅行業協会(JATA)は6月22日の定時総会で、昨年10月に立ち上げた旅行業再生戦略会議による「旅行業再生」に向けた提言も発表し、旅行業の現在の実情について改めて整理して3つの基本方針を定め、そのうえで5つの提言とJATAとしての対応策を明らかにした。

JATA会長/JTB取締役会長の髙橋広行氏
旅行業再生戦略会議はJTB取締役会長の髙橋広行氏を議長に、ANA X取締役副社長の加藤恭子氏、エイチ・アイ・エス(HIS)取締役上席執行役員の山野辺淳氏、風の旅行社代表取締役の優二氏、KNT-CTホールディングス代表取締役専務小山佳延氏、日本旅行秘書広報部部長の佐藤均氏、ワールド航空サービス代表取締役社長の松本佳晴氏、JTB総合研究所代表取締役社長執行役員の野澤肇氏をメンバーとして議論を重ねてきた(役職はいずれも2022年3月31日時点)

 「再生」に向けた基本方針は、「旅行業の存在意義の確立と周知」「『旅行ビジネスを極める』『新たなビジネス領域への進出』の両面での進化の追求」「前例にとらわれることのない協調と共創の実践」の3つで、提言はそれぞれの実現に向けた具体的な方策も例示して業界関係者に取り組みを呼びかけるもの。

 世界はコロナ禍から回復の兆しが見えている状況ではあるが、髙橋氏は、働き方の変化や非接触化の浸透、サステナビリティへの要求の高まりなどから、「大前提として旅行業がコロナ禍以前の状態に戻ることはありえない」と断言。そして、一方では事業ポートフォリオの見直しや事業変革のための前例のないチャンスを得たとも指摘し、提言の意義を強調した。

なお、総会では昨年度の事業報告と収支決算報告、今年度の事業計画と収支予算について承認を得たほか、新しい役員体制も決定している。