ハワイ、3年ぶりに「ジャパンサミット」開催、22年はマラマハワイや再生型観光の啓蒙も
2021年からの3年計画のデスティネーションマネージメントアクションプランを発表
業界メディア向けのインタビューでは、HTAブランド統括責任者のカラニ・カアナアナ氏とヴァーレイ氏に話を伺った。ハワイ州は2019年に渡航者が1000万人を超え、自然環境への影響や住民の観光業への満足度が低下しており、HTAは旅行者も住民も満足する観光地にする方針に戦略を変更。2025年までの観光戦略としてハワイ州の50を超える企業、団体、政府のステークホルダーが策定した「自然保全」「文化継承」「地域社会」「ブランドマーケティング」を主軸の4本柱として掲げている。また、責任ある観光客になってもらうために、渡航前から啓蒙活動をおこなっている。
そのなかで自然と文化を継承するために、オアフ、ハワイ、マウイ、カウアイの各郡では、 デスティネーションマネージメントアクションプラン(DMAP)を策定しており、2021年から2023年まで観光経済と地域コミュニティ、自然資源と文化資源、住民の生活の質のバランスを保つための行動規定を掲げている。
具体的な例として、観光を通してハワイをより良くしていく「再生型観光」へ転換している。そのほか、新しくオンラインシステムを導入し、ハナウマ湾自然保護区、ダイヤモンドヘッド州立記念碑などは事前予約が必須となる。
また、HTAプランニングディレクターDMAP担当責任者であるキャロライン・アンダーソン氏は「住民の満足度や問題意識、意見を聞き入れ住民と共に解決していくことが大切」と語る。観光地で密になりやすい地域(ホットスポット)も注視しているといい、例えばハワイ島のポロルー渓谷はハイキングできる場所としても有名だが、HTAはモニタリングをして、安全に旅行してもらえるよう、また住民と観光客の割合を調べて、地元の人にも満足度を上げてもらえるような取り組みも検討している。
今後のHTJの活動としては、JATAツーリズムエキスポや阪急ハワイフェアなど50件のハワイ関連イベントの後援をおこなうことが決定しており、マラマハワイの啓蒙とメイドインハワイのプロモーションを展開していく。また業界向けには11月中旬に東京と大阪で商談会を予定しており、マラマハワイ、再生型観光についてのハワイの取り組みの啓蒙などをおこなっていく考えだ。
ハワイ語レッスン、ハワイアンカルチャーワークショップの体験へ
サミットではハワイアンカルチャーを体験するワークショップもおこなわれた。近年、ハワイではハワイ語への興味と理解が年々高められている。ハワイ語は母音が5つで子音が8つの13文字から成り立っている。ハワイ語は総じて”察する”というものが背景にあり、英語のような白黒つけるようなものではなく、そういう意味では日本人には理解しやすい言語であるという。レイメイキングやラウハラ編みなど4つのワークショップ
ハワイの代表的な文化であるレイメイキングと竹細工。今回はラウハラ編みとオヘ・カパラの2種類に挑戦した。ラウハラというのはハワイのハラの葉を使う。ハラの木はハワイ固有種の植物で、刺のある細長い葉が特徴的だ。帽子、ランチョンマット、バッグなどにも使われるもので、今回は3枚のハラを使って作るブレスレットとオヘ・カパラ(⽵細⼯スタンプ)の制作を体験した。このオヘは、ハワイ後で竹を意味し、カパラは型押しという意味を持つ。竹を細長い棒状にカットし、その断面にデザインを施したもので、インクをつけて様々な模様をスタンプしていく。
そのほか、フル(フェザー)クラフトと、クペエ(レイ)メイキング体験もあり、どれもハワイアンを代表する伝統工芸であり、ハワイを旅行するだけでなく、ハワイの人たちのカルチャーを知ってもらうにはよいワークショップだろう。