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宿泊業の倒産、5月は8件、中堅規模で増加傾向-TSR調査

  • 2022年6月9日

 東京商工リサーチ(TSR)によると、5月の宿泊業の倒産件数は8件で2ヵ月連続で前年同月を上回った。負債総額は20億4400万円で2ヵ月ぶりに前年同月を下回った。10億円以上の大型倒産はゼロだったが、1億円以上10億円未満が5件と中堅規模の倒産が増加している。

 原因別では販売不振4件、既往のシワ寄せ3件、設備投資過大1件で、形態別では破産5件、特別清算が3件だった。

 サンパール観光は愛媛県の第三セクターなどの出資で、1970年代から愛媛県南部地域の観光レクリエーション開発事業の一環として宿泊施設やレストランを運営。最盛期の1993年3月期には売上約4億3000万円をあげていた。2008年3月期以降は連続欠損となり、2020年は新型コロナウイルスの影響から観光客が激減。2021年3月期には売上が7400万円まで減少していた。この間、施設の建て替えも検討されていたが2022年3月末に営業を停止し、松山地裁宇和島支部から破産手続き開始を受けた。負債総額は2億7000万円。

 ホテル桂荘は南種子町で営業をしており、観光客のほか、種子島宇宙センターのロケット打ち上げに関連する企業の定宿として利用されていた。しかしロケットの打ち上げ回数が減り利用客が減ったことに加え、2012年ごろに事業を停止していた関連会社の約3億円の負債を引き受けていたことが資金負担となり、2022年1月末に事業継続を断念。鹿児島地裁から破産開始決定を受けた。負債総額は約4億3285万円。

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