「ワクワク大陸」オーストラリア、完全回復へ現地は準備着々、日本市場に期待も
日本市場向け予算も増加傾向、路線回復に期待
オーストラリアでは7月から会計年度が新しくなるため、アンケートでは7月からの日本市場向け予算の増減についても質問。横ばいが決定しているのが2団体、未定が1団体となったが、それ以外は増額が決定または予想されている状況で、これからのリカバリー期において日本市場が引き続き重要視されていることが分かる。
状況 | |
---|---|
オーストラリア政府観光局 | 増加決定 |
ニュー・サウス・ウェールズ州政府観光局 | 未定 |
クイーンズランド州政府観光局 | 増加予想 |
ビクトリア州政府観光局 | 増加予想 |
西オーストラリア州政府観光局 | 横ばい決定 |
ノーザンテリトリー政府観光局 | 横ばい決定 |
ケアンズ観光局 | 増加決定 |
ゴールドコースト観光局 | 増加予想 |
例えばクイーンズランド州では、州全体として今後3年間で2億豪ドル(約180億円)を国際線路線網の再構築に投じることを決めているが、日本でもこの予算の一部を受けて既存路線の需要増と新規路線の誘致に取り組んでいく方針。また西オーストラリア州も、路線再開が決まれば予算増額が見えている。
さらにゴールドコーストでも、「日本マーケットはコロナ前の5年に渡って毎年訪問者数が増加したNo.3のマーケット」だったが、コロナ後の回復に向けて「さらに期待も位置づけも高く」なったとしている。
キャンペーンなど施策続々
リカバリーに向けた取り組みでは、冒頭で触れた通りTAが大型のキャンペーンを開始しているほか、今年後半にはグローバルで新ブランドキャンペーンの立ち上げも予定している。
また、ケアンズではすでにこの4月に観光大使を任命したほか、メタサーチや旅行ウェブメディアとのプロモーションも計画している。
西オーストラリア州でも、これまでの直行便再開に向けた認知度維持・向上の施策に加えて、国境再開とともに商品の販売を再開した、または再開の意思のある旅行会社に対して販売促進策を準備。
このほかクイーンズランド州は早期のFAMツアー実施が必須と回答し、年内に販売店を対象に積極的に開催していく方針を説明。ビクトリア州は「現時点ではまだ未定」としつつ、コロナ禍の2年でデスティネーションとしての求心力低下を解消していく必要があると指摘している。
一方、一足先にリカバリーの予兆を回答したのはゴールドコーストで、コロナ禍でも「ロックダウンなどが他都市と比べ極端に短かったため、すでに国内需要が早い段階で戻ったことですでに観光素材がフルオープン」していることもあり、留学生やワーキングホリデーが戻りはじめているところ。今後は、SNSなどを通した情報発信や夏休み以降のキャンペーンに力を入れるほか、一人旅、旅慣れた富裕層、VFR、リピーター、添乗員付き小グループなどセグメントごとの需要喚起策も検討している。