業界ニュースを振り返る ー コロナがなくても業界の労働力人口は減っていたし

JATAの旅行再開ロードマップが更新されました。私の個人的な意見でいえば、まあ感染症で命に関わることなので夏休み後の再開になるのは、何かしら根拠があるのであれば仕方がないのかしらという気持ちですが、もう2年以上こらえている業界のことを考えればどうか夏休み前にしてくれという気持ちにもなるでしょう。
 ただ、今度はサル痘なんてものが感染拡大だのと言われ始めたりして、せっかく更新されたロードマップもどうなることやら……いい加減向かい風は止んで欲しいところですが、こればかりはどうしようもないですしね。

 近藤氏のホテルを造るの、もう止めませんかはなかなか衝撃的なタイトルでした。私も観光産業から出ていった身ですから少々耳が痛いところがありますが、意見としては賛成です。
 私個人の意見で言えば、正直なところハイクオリティのホテルというものはあまり求めておらず、風呂と布団とWi-Fi、コンセント、机があればあとはどうでもいいと言えばいいのですが、これだけ世の中の出張が減った今、安価なビジネスホテルのような需要も以前のようにはないでしょうし、そもそも供給する箱があっても人がいないでしょう。私なんかはIT業界に好きで移った口ですから、IT化で効率化して労働集約型からの脱却だ! とか思ってしまいますが、ホテルだとそうは言っても現実的に人の手がどうしても必要な部分が多いですし。それならやはり、薄利多売をやめる方が健全であろうと思います。そもそも労働力人口が2030年には今より800万人減るとも言われています。これは日本から労働力人口が1割以上減るわけですから、コロナがなくても業界で就労する人は当然減るわけです。その時に優秀な人材を抱えるためには、結局高単価高収益の業態に変化して、高利益だから従業員にも還元できるという形にしないと、ますます人材は流出していくばかりです。ホスピタリティが重要な業界ですし、やはりその分人材に投資しないといけないっていうのは、私みたいな現場の人間からすると自明の理のように思えるのですが、賢い方々の意見だとまた別なんでしょうかね。