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【バルセロナ現地レポート】活気を取り戻しつつある観光地、今年は三大祭りも開催

  • 2022年5月9日

地中海沿岸一帯ならではの食の豆知識

 まずは、スペイン料理にかかせず日本でも食卓に定着しつつあるオリーブオイルに関する情報です。以前はサラダオイルと比べるとオリーブオイルの方が値が張りましたが、ウクライナ情勢の影響でサラダオイルの値段が一気に4倍に上がり、どちらもほぼ変わらない価格になりました。スペインのオリーブオイルは質・量ともに世界1位を誇り、他国を寄せ付けません。良質のオリーブオイルは昔ながらの石臼挽きが高級品とされ、11月から12月にかけて収穫、製造されます。収穫した実をそのまま搾って精製される緑色がかったオリーブオイルは「オリーブの果実ジュース」とも称され、まさにこの時期に現地でしか味わえないおすすめの逸品です。

 同じく11月頃から旬が始まるものとして、バルセロナより南に100キロほどのタラゴナ地方、特にバイス村近辺一帯を本場とする「カルソッツ(焼きネギ)」も非常におすすめです。本来は田舎で楽しむ旬の味覚ですので、是非郊外まで足を伸ばしていただきたいと思います。毎年1月の最終日曜には、バイス村で「カルソッツ祭り」も行われます。

 本場のカルソッツのコース料理では、前菜とはとても言い難いのですが、まずはカルソッツがほぼ食べ放題のような形式でスタートし、その後に白いんげん豆ソテーと黒ソーセージ、続いて羊を中心とした肉の炭火焼、お口直しのCAVAの後、日本でも知名度が広がったご当地デザートのクレマカタラーナでの締めという流れが一般的です。カルソッツの味の決め手とも言えるのが、こちらも地中海沿岸では定番のロメスコソース。原材料はアーモンド、松の実、パプリカ、にんにく、オリーブ油などで、店ごとに味が異なります。このソースでネギの中のほくほくで柔らかい芯付近の部分を贅沢食いするのがお薦めです。

畑に隣接するカルソッツ専門店の焼き場に並ぶ旬のネギ

 観光、スポーツ、食と、どれをとっても人気で特別感満載のバルセロナ。皆様のお越しをお待ち申し上げております。

斉藤浩二
1968年生まれ、北海道札幌市出身。1996年渡西。バルセロナで旅行会社勤務後、現在フリーランスで活動中。スペイン全土及びバルセロナの魅力を日本のスペインに興味をもつ皆様へ発信しています。ガイドブックや旅行情報サイトなどでまだ取り上げられていないようなひっそりとした町や村などの、知る人ぞ知る隠れ家グルメ情報をこれからも探し続けて参ります。