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入国制限緩和のカナダ、主要路線も順次再開へ エア・カナダがプロダクトセミナー開催

  • 2022年4月22日
鈴木氏

 エア・カナダ(AC)は4月19日、プロダクトアップデートセミナーをオンラインで開催した。カナダでは4月1日よりワクチン接種完了者を対象に入国時の新型コロナウイルス検査を廃止し、往来の再開を進めている。セミナーでは旅客営業部アカウント・マネージャーの鈴木敬一氏がプレゼンターを務め、最新のスケジュールや出入国にあたっての手続きなどを説明した。

成田‐トロント/モントリオール線が再開

 鈴木氏は「日本ではまだイメージがしづらいと思うが、現在カナダではレジャー、ビジネス渡航ともに徐々に動き始めている」と述べたうえで、日本発のフライトスケジュールを説明。ACでは現在、成田/バンクーバー線をデイリーで運航しているが、これに加え4月28日より成田/トロント線を週3便、6月4日より成田/モントリオール線を週2便で再開する。トロント線は6月より週5便、9月より週6便、10月よりデイリー運航へ増便。モントリオール線はトロント線の運航がない火曜日と土曜日の運航で、これによりACは6月以降、東海岸へデイリーで運航することとなる。

 機内の衛生に関しては、スプレーガンでの消毒や除菌シートでのふき取りを実施。カナダ政府の要請を受け、搭乗時はマスクの着用を義務付けており、搭乗者にはマスクなども含めた「クリーンケアキット」を配布している。

出入国のチェックポイント

 搭乗に際しては、新型コロナにより確認事項が多いため、これまでよりも手続きに時間がかかっているという。ACでは、国際線については出発の3時間前に空港に到着するよう推奨し、チェックインの締め切りは出発60分前、手荷物預け入れの締め切りは出発45分前としている。なお、ACのウェブサイトでは出発の24時間前からチェックインが可能だ。

 成田空港では、第1ターミナル南ウイングのAカウンターとDカウンターを利用。Dカウンターは昨年設置された無人カウンターで、搭乗者はKioskでボーディングパスとバゲージタグを取り出し、係員から書類のチェックを受けた後、自身でボーディングパスをスキャンして手荷物を預け入れる。

 現在、カナダへの入国は、ワクチンを2回接種していることが条件となる。成田空港でのチェックイン時は、ワクチン接種証明書、カナダ政府作成のスマートフォン用アプリArrive CAN(ワクチン接種証明書や滞在先の詳細を入力)、eTAもしくはStudent Visaを確認する。カナダ到着後はランダムで検査が実施され、自己隔離は原則不要。乗り継ぎの場合は国際線到着時に入国審査を受け、ランダム検査を経て、検査結果を待たずに目的地に出発する。乗り継ぎ空港で手荷物をピックアップする必要はない。

 なお、カナダ国内線については、バンクーバー/カルガリー間はそれぞれ1日9便、バンクーバー/エドモントン間はそれぞれ1日6便運航しており、コロナ前とほぼ変わらない便数だ。パッケージ造成に関わるイエローナイフ発着便については、カルガリー、エドモントン、バンクーバー間でそれぞれ1日1便運航。「便数はコロナ前よりも増えており、よりツアー造成も容易になるのではないか」(鈴木氏)。

 アメリカもカナダと同様、ワクチンを2回接種していれば入国が可能だ。ACを利用してアメリカに行く場合、成田空港では、ワクチン接種証明書、陰性証明書、ESTAもしくはF1Visa、Attestation、eTAが必要となる。eTAに7ドルかかるものの、カナダ空港内での移動が少ない、入国審査にかかる時間が短い、受託手荷物のピックアップの必要がないといったメリットがあるという。

 一方、カナダ、アメリカから日本へ帰国する際は、ワクチン接種証明書、出発72時間以内のPCR検査、厚生労働省推奨の書式での陰性証明書が必要となる。カナダは4月から感染の非指定国になったため、ワクチンを3回接種していれば到着後の自宅待機は不要。ルール上はそのまま日本国内線に乗り継ぐことも可能だが、「飛行機を降りてからの手続きに時間がかかるため、安全を期するのであれば翌日がいいのではないか」(鈴木氏)。なお、アプリMySOSへ必要情報を事前に登録し、ファストトラックを利用することで、到着からの所用時間に1時間半から2時間程度の差が出るという。