【シンガポール現地レポート】エンデミックを突き進む小国シンガポールの今
シンガポール在住11年目の石原真です。2021年4月までF-ness International(Singapore)にて、主に海外営業とオペレーション管理を担当していました。現在は旅行業界からSaaS業界にシフトし、新たな挑戦の真っ只中にいます。
以前のレポートから1年近くが経っているので、今回は2021年12月現在のシンガポールの現状をレポートしたいと思います。
シンガポールはエンデミック (Endemic)へ突入
ワクチン接種率80%以上達成を見通せた2021年後半から、シンガポール政府はコロナとの共存を宣言し、エンデミックのフェーズへ移行しました。とは言っても、ここは細かな規定や罰金で有名なシンガポール、一時期に比べ規制もだいぶ緩くなったものの、飲食、ウェルネス、買い物、映画、イベント、訪問など多岐に渡る規制全てが撤廃されるにはまだまだ時間がかかりそうです。ただ、1年以上継続してきたゼロコロナの施策からウィズコロナに舵を大きく切ったことは、終わりの見えないコロナ禍で、小国シンガポールが本気でパンデミックにピリオドを打ちにいく姿勢を打ち出し、国民に勇気と希望を与えたという点で評価できるでしょう。
2021年12月時点の規制の一部サマリー
感染者数爆増でも
しかし、エンデミックという言葉が実際に浸透するにも時間がかかったのも事実です。2021年前半の感染者数は多くても2桁台で、その内の大半は国外からの帰国者であり、市中感染はうまく抑え込まれていました。しかし、今年7月中旬頃に行動規制を緩和したと同時に市中感染が拡大してしまい、規制緩和から1週間余りで再度規制が戻されるという乱気流にさらされました。
その後も感染者数は増加の一方で、特に昨年9月から11月に感染状況は更に悪化し、ほぼ毎日1000人から4000人の感染者を出し続けました。人口500万人弱のシンガポールですので、この3ヶ月間だけでも人口の約4%が感染した計算になります。国民としては当然ロックダウンを覚悟していましたが、シンガポール政府はエンデミックへ移行する姿勢を打ち出しました。ロックダウンを期待していた国民もいる中で、コロナとの共存を宣言したので、直後は納得いかない国民も多かったのではないかと思います。
この記事を書いている12月末には、屋外でのマスク着用義務や飲食人数の制限などの規制は続くものの、感染者数のピークは去り、クリスマスショッピングで人通りも増え、コロナ前のシンガポールの喧騒が感じられました。(オミクロン株が流行し始めたので今後はまた不透明ですが・・・)。