航空機のシェアリングサービス「エアシェア」、観光インフラの新たな選択肢となるか
選ばれるために、どれだけ選びやすいか
交通手段の一つとして選ばれるために価格帯や移動時間などについて触れてみる。下記はエアシェア社が算出した、「シェアリングサービス」「旅客機+鉄道」「鉄道」のそれぞれの比較である。目的地によって変動はあるだろうが、表を見ると価格は鉄道よりは高くはなるものの、絶対に手が出せないという設定ではないことがわかる。
価格以外のカテゴリーを見ると、空港での搭乗手続き等がない分、待機時間が必要ないことは大きな強みと言える。加えて、同乗者は身内とパイロットだけとなるため、コロナ感染対策としても、他の交通手段より魅力的な選択肢となりそうだ。
また、このサービスは単なる交通手段としてではなく、遊覧飛行としての使い方も非常に有効だ。サービスの特性上、コース設定が柔軟であることはもちろんだが、小型飛行機であるため、本来の旅客機ではまず味わうことのできない高度での景色を楽しむことができる。
ターゲットは「国内準富裕層」
エアシェア社は現在、メインターゲットを「海外旅行で使うはずだったお金を、特別な国内旅行に振り向け得る国内準富裕層」としているが、用途の幅広さやサービスの柔軟性を考慮すると、客層は更に広がる可能性もありそうだ。実際、2026年には「全年収層のインバウンド・国内旅行者・ビジネス利用」をターゲットとしてみているという。
エアシェアは2030年に取扱高135億円を目標としており、そのための取り組みとして「特約店システム」も設けている。旅行者の代わりにマッチングから決済処理を行い、特約店はコミッションを受け取る仕組み。その他にも、フライトコースの開発なども行っており、今後の動きにも注目したい。