20代社員が振り返る今週のニュース ー 旅行業務取扱管理者は何のための資格か
今朝配信した記事2つが、すごい勢いで皆様に読まれています。1つは弁護士に聞くシリーズの最新回、副業に関する記事です。私はしていませんが、たしかにウーバーイーツの副業をしている人の話は友人知人からもよく聞きます。ウーバーイーツの一番いいところは、本業の利益相反になることがないからだと聞きました。
本業のスキルが活かせるところで、本業の雇用主が認めてくれる副業というのはなかなか認めてくれそうにないですし、かと言って全くスキルを活かせない副業をするのもなんだかなというところ。IT系ならば潰しもきくかもしれませんが、旅行業界従事者として身につけたスキルが活かせるところはなかなか少ないですね。いっそのこと、個人事業主で一から新しいことを初めて副業にするほうがいいのかもしれません。かくいう私も副業はしておらず、むしろお金を使って勉強しているばかりですが……現実的に平日日中は本業をしつつ週末や平日の早朝・夜を勉強に費やしていると副業をする時間を作るのはなかなか難しいですね……
もう一つ、トップ記事でないのにがんがんPVを伸ばしているのが旅行業務取扱管理者試験に関する柴田氏のコラムです。PVもさることながら、コメントでの盛り上がりが皆様の旅行業務取扱管理者に対する考えが色々あることがわかります。
私は新卒から旅行業界に従事しているくせに資格を取ろうと思ったことがないので今一わかっていないのですが、それでも周りの話を聞くと「勉強した内容を実務で使うことはない」「今どき使うこともない内容が試験で出る」というのはよく聞く話です。ただ、実務で直接的に役に立たないことは必ずしも試験で出すべきではないとも思いません。旅行に関する唯一の国家試験ですし、一定以上の難易度は当然必要だと思います。問題は、その知識が果たして旅行業界のプロとしてお客様にサービスを提供するときに、果たして役にたつ可能性があるのか、というところだと思います。そういう意味では、コメントで触れられている方々もいらっしゃるJRの運賃の手計算なんかは「今どきする必要がないからいらない」という反対派の方も多くいらっしゃる一方「プロとしてはきちんと理解しておく必要がある」という方もいらっしゃり、業界人でも意見が割れるところなのだということがわかります。
コメントをくださっているWTNB様の意見に近いかもしれませんが、個人的にはこの試験で合格すると得られる資格は「旅行業務取扱管理者」であって、旅行業のプロフェッショナルであることを証明する資格ではないのではないかということです。実際に国土交通省のページを読むと、旅行の取引条件の説明などの業務の管理・監督が行えると認めるための資格であると読み取れます。旅行業務取扱管理者の業務は「業務の管理及び監督に関する事務」ですから、管理監督ができるために必要な知識があれば良いわけです。
ただ、そのために必要な最低限の知識というのはどこで線引きするのか。それを業界に対して示せていない故に、定期的にこういったことが議論にあがるのでしょう。個人的にはシステムが計算してくれることを手計算でできるようになる必要もないのでしょうが、なんでそういう数値になるのか説明できるくらいの知識がある方に管理者として居て欲しいものです。