問われるのは顧客ニーズを汲んだ商品造成力-北海道グラウンドサービス代表取締役 永井雅史氏
富裕層はたとえ戻っても旅行会社を必要としない
真に良いと思う素材を組み込んだ旅行商品を
北海道ニセコを中心に、冬はスキーバスの手配やスキー用品のレンタル、夏は大自然のなかでのアクティビティを催行する北海道グラウンドサービス。代表の永井雅史氏は、かつては外国人スキーヤーで賑わったニセコも、これからは客層が変わってくるのではないかと指摘する。コロナ後の旅行者が旅行会社に求めることは何か、永井氏に聞いた。(聞き手:弊社代表取締役社長兼トラベルビジョン発行人 岡田直樹)
永井雅史氏(以下敬称略) 当社は2000年に設立した会社で、北海道をベースにアウトドアアクティビティ手配やスキー・スノーボードレンタル業務、スキーバス手配等を行っています。
私は元々はプロスキーヤーでした。競技スキーからレッスンプロへ転身して蔵王などで仕事をする傍ら、東京のお客様をバスでスキー場まで送客し、イベントの催行などを手掛けていました。30歳のときに加森観光さんがルスツでスキー場の運営を開始するというタイミングでご縁があり、初めてサラリーマンになりました。加森観光さんでは5年程スキー場の営業企画の仕事を任され、大学の競技スキー部を誘致して合宿のメッカにするなど、様々な企画を実施しました。ですが、元々イベントをやりたいという気持ちが強く、若いうちに自分が望むことを実現しようと、35歳で起業。それからは、スノーボードのワールドカップの大会を運営したり、夕張のマウントレースイスキー場で社会人アマチュアの方向けのスキー大会を開催したり。学生のときはスキーをやる人も多いですが、社会人になると機会が減るので、チャレンジのしがいがありました。
永井 主軸の3事業はもちろん全て影響を受け、昨年春に緊急事態宣言が出てから10月までほとんど動けない状況でした。修学旅行生のラフティング体験などの予約もすべてキャンセルになってしまいました。予約が入った分は催行し切りましたが、件数が少ないなかオペレーションが難しい部分もあり、9月からは休業しました。
当社は造成商品のクオリティを維持するため季節雇いではなく通年で社員を雇用し、夏場と冬場両方の需要に対応していますが、やはりアクティビティ系は収益コントロールが難しい面があります。スキーバス手配の方が単価は高くはないものの、平常時であれば収益性の面でも安定しており、売上も上げやすい商品といえます。
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