高知の魅力は「人」、魅力伝える独自コンテンツを造成-O-SHIKOKU代表の岡林雅士氏

人と食をかけ合わせた新コンテンツを造成
旅行会社は学び続ける努力を

 高知県で観光コンテンツの開発や現地ツアーの企画などをおこなう第3種旅行業の合同会社「O-SHIKOKU」。2018年11月にインバウンド向けのサービスを展開しようと創業したが、すぐ新型コロナウイルス感染症(コロナ)が流行し苦境に立たされた。現在は国内を中心に高知の魅力を発信しようとコンテンツの開発に注力しているという同社代表の岡林雅士氏に、現状と今後の展望をうかがった。(聞き手:弊社代表取締役社長兼トラベルビジョン発行人 岡田直樹)

岡林雅士氏。インタビューは高知市の「海鮮バーベキュー 土佐のかき小屋」で実施
-まずは会社とご自身について教えてください

岡林雅士氏(以下敬称略) 「O-SHIKOKU」は2018年11月に創業した、観光コンテンツの開発や観光コンサルタント、旅行のコーディネートなどをおこなう第3種旅行業です。当初は2名で立ち上げましたが、コロナの影響もあり現在は1名体制で運営しています。私は高知市で生まれ育った、高知が大好きな人間ですので、「高知を元気にしたい!」という思いから会社を立ち上げました。

 もともとは教育業界におり、ニュージーランドの国立の専門学校「ワイアリキポリテクニック」で日本語講師をした後、英国・マンチェスター大学の日本語研究所に就職して大学で講師を務めていました。

 日本に帰ってきたのは祖父が危篤になったことがきっかけです。帰国後、当時は終身雇用を重視する時代だったので、祖父から契約社員のような形ではなく日本で仕事につくように言われ、2年だけ日本の企業で働こうと決意しました。その時、自分の「人の喜ぶことや人の世話が好き」という部分が活かせる仕事を探し、たまたま飛び込んだタビックスジャパン(現T-LIFEホールディングス)に就職することになりました。

 はじめは「2年だけ働いて日本の企業のノウハウを知り、よい教師になろう」と考えていましたが、旅行業がとても面白かったので気づいたら20年勤務し、最終的には四国センター長兼高知支店長を務めることになりました。

-貴社の事業内容について、当初予定していたものと、コロナ禍の現在展開しているものを教えてください

岡林 高知で得意で大好きな旅行業をしたいという気持ちから、インバウンドを中心に事業を展開しようと考えました。そのためには地域のことを知らなければと、前の会社を辞めた後は高知県が主催する「土佐の観光創成塾」という、観光事業者の人材育成と旅行商品造成を学ぶ場に参加。2016年から17年まで2年間、「地域観光コーディネーター」として高知県の観光振興や観光商品づくりの支援をはじめ、さまざまな事業に取り組みました。

 新会社を立ち上げインバウンドを開始しようとしたものの、コロナの影響で事業はストップしてしまいました。現在は地域の宿泊業者やアクティビティ業者向けに、観光戦略作りやアクティビティ商品の造成などのコンサルティングをしているところです。行政の仕事も担当していますが、民間企業のクライアントが多いですね。

 当面は国内旅行をターゲットに事業を展開していく予定です。まずは高知とその付近の人々向けにアクティビティを展開し、さまざまな実証実験を繰り返してブラッシュアップさせていきたいと思います。ただし、こだわるのはあくまでも人数ではなく消費額。高知エリアは大勢の人に来ていただいても、それを受け入れる宿泊・飲食施設のマンパワーが不足しているので、消費額を重視したいです。