時代のニーズを捉え10月1日にリブランドオープン-テンザホテル・博多ステーション 支配人 安原慎治氏

サブスク活用やプラントベースミートによるSDGs貢献へ
地元企業と連携し、環境に配慮した食循環の仕組みも導入

-どのようなお客様をメインターゲットとして想定されていますか。

安原 博多駅から徒歩約3分という立地を活かした全方位型の集客になるとは思いますが、20平米の通常客室、平均22平米のツインルームの他に、40平米、60平米のスイートに近い客室もございますので、一般のビジネスカテゴリーのホテルにお泊りになるお客様というよりも、アッパーミドルのビジネスホテルを定宿としているようなお客様に選んでいただきたいです。

様々な部屋タイプを用意

 また、福岡市はMICE誘致に力を入れており、今後もその施策は継続していくと考えられます。そのため、当ホテルでもスポーツや修学旅行などを含めた団体のお客様にもご満足いただけるように力を入れていきたいと思います。当ホテルの客室数は120室と決して多くはありませんが、今回リブランドをする当ホテルがオープンすると、当社の運営するホテルが博多に3館442室できることになります。大型団体のお問い合わせをいただいた場合には、3館で連携しながら対応を検討することも可能です。

-コロナ禍中の開業となりますが、取り組まれるオープニング施策についてお聞かせください。

安原 OTA上でプロモーションを行うほか、WEB広告やInstagramを活用した情報発信もオープンと同時にスタートできるように準備を進めております。

 またレストランではランチ営業も行うのですが、グルメサイト「favy」のサブスクリプションサービスを活用し、オープン記念価格として期間限定でランチをお得に楽しめるサブスクメニューを提供する予定です。ランチの内容は糸島産の野菜を使用したサラダバー、ドリンクバー、店頭で焼いたフォカッチャを楽しめる800円のメニューを基本としており、パスタを追加すると1200円から1800円の価格帯になります。「favy」のサブスクを利用すると1か月間、パスタ付きランチを1000円で楽しめるキャンペーンを実施し、SNSでの拡散を狙った企画の準備も進めています。

 糸島野菜をサラダバーで楽しめるお店や、サブスクリプションで活用できるホテル内の飲食店というのは他にあまりないと思いますので、ぜひこの機会に楽しんでいただければと思います。

-地域や環境に対する取り組みについてお聞かせください。

安原 朝食ビュッフェを行っていると品数を増やし、見た目の美しさを維持するためには、食品ロスの問題がどうしても発生してしまいます。そこで、食品ロスを削減できないかということで、コンポストを利用した食循環の仕組みを導入いたします。

 すでにウィングチェーンの博多店と熊本店の2店舗で導入されていますが、地元企業であるローカルフードサイクリング様が開発された「LFCコンポスト」という生ごみを堆肥化する資材入りバッグを、ホテル特注の大きさで作っていただきました。調理中に発生する食材の廃棄部分をコンポストに入れると、分解され、堆肥化することができます。出来上がった堆肥はローカルフードサイクリング様が運営されている畑に提供し、そこで作られた有機野菜をホテルの朝食ビュッフェの食材として仕入れ、お客様に楽しんでいただくという食循環の仕組みを取り入れます。

 先ほども少し触れましたが、朝食やランチではプラントベースミートを使用いたします。畜産で排出される温室効果ガスが課題に挙げられていますが、プラントベースミートを使用することでSDGs達成にも貢献できると考えております。

 また、当社ウィングチェーンのいくつかの店舗ですでに実施している、タクシーアプリ「GO」のPOPを客室内に設置し、ホテルからのタクシー移動をサポートする取り組みを行う予定で、地域との連携も今後検討できればと考えております。

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