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「安全な送迎」社是にさまざまな団体旅行をサポート —西鉄観光バス代表取締役社長 中倉淳一氏

コロナ禍でオンライン修学旅行を提供
移動制限緩和で需要の急回復に期待

-コロナの収束後は、どのような顧客層をターゲットとして想定していらっしゃいますか。

中倉 貸切バスの顧客層は、学会の輸送、野外イベントの送迎、企業の慰安旅行などの一般団体、修学旅行をはじめとする教育旅行や部活動の試合の送迎などの学生団体、旅行会社のツアー企画団体と大きく3つに分かれます。西鉄観光バスでは、売上ベースで一般団体が半分ほど、学生団体が3割、企画団体が2割ほどになります。

 コロナ収束後、まず復活してくるのが修学旅行、遠足、自然教室などの教育旅行になると見ています。ほぼコロナ前まで回復すると思います。次に、企画団体、一般団体となり、最後がインバウンドになるでしょう。企画団体もコロナ前の水準に戻ると思いますが、企業の慰安旅行などは、ワクチン接種が進んでも、完全回復は難しいのではないかと想定しています。

-コロナ禍で新しく取り組んだ施策があればお聞かせください。

中倉  「行けない人を行った気にさせる」オンラインツアーを始めました。修学旅行の実施が難しいなか、それでも教育旅行をしたいという学校からのリクエストに応えて、Zoomを活用した「オンライン修学旅行」や「オンライン社会科見学」を実施しています。学校とZoomで繋ぎ、観光地や車窓の映像に合わせ当社のバスガイドがご案内を行うなどにより、大変好評を得ています。また平和学習の教材の1つとして、長崎の平和公園や原爆関連の施設を巡る動画を作成。オンラインでなくても学校単位で平和学習ができるようDVD化して、学校に送りました。動画撮影では、弊社のバスガイドが実際に現地で案内役を務めました。今後も、さまざまな新しい企画を立てて、行った気になっていただき、アフターコロナでは実際に訪問していただけるような取り組みを進めていきたいと考えています。

-旅行業界でも環境への取り組みが重視されています。バス会社としてできることはあるでしょうか。

中倉 バス会社の環境対策は難しい部分があると思いますが、個別にマイカーで旅行に行くよりも、団体バス旅行の方が環境への負荷を減らすことは可能ではないでしょうか。また、排ガス規制に対応したバス車両の代替促進により、ハード面での環境負荷低減も進めています。