旅行業の知見活かし飲食業との二足のわらじ、FCや海外展開も-フジ・ツーリスト・プラザ代表 藤井博幸氏
コロナ後の旅行会社の勝機はライブ販売にあり?
「アイデアの配布」で業界全体の利益に
藤井 客単価は3500円でした。フードコストの原価率は30%以内、スタッフは昼も夜も8人で回していました。人件費はかけていた方ですが、FLコスト(フードレイバーコスト、食材原価と人件費)は6割を超えていません。
藤井 すでに栃木県・小山市と熊本市の2店舗に、とりかわ串の焼き方のノウハウなど情報提供をしたうえで、仕込み済みのとりかわ串とタレを販売しています。
沖縄そばについてはフランチャイズ(FC)展開します。2012年の経営革新計画もFC展開が前提でした。現在は東京・秋葉原と沖縄・読谷村にFC展開しています。考え方に相違が出ないように、本気で沖縄そばをやりたい人としか組まない方針なので、FCは増やしても10店舗程度までと決めています。
藤井 海外は直営展開でアジア方面からスタートします。工場を設ける予定のタイを拠点にアジア展開を考えており、海外1号もタイになりそうです。あとはバングラデッシュ、モンゴル、インドネシアなど。食材としての鶏肉は、宗教タブーもなく牛・豚のような価格の乱高下もない。串焼き文化も受け入れられやすい土壌があります。アジアの国々は旅行業を通じて経済状況や社会状況、ビジネスについての土地勘があるので、その意味でもやりやすさがあります。
藤井 新型コロナウィルスという想像もできなかった敵との戦いを余儀なくされていますが、途方に暮れていても仕方がない。できることから進めるしかありません。今だからこそ同業者が協力して顧客に楽しんでもらえるようにするべきで、これは旅行も飲食も同じです。飲食業に参入を考える会社があれば最大限にアシストする準備があります。
旅行と飲食をやるのは昔なら「二足のわらじは本気度が足りない」と言われたかもしれませんが、これからは事業の柱は複数がいい。苦労はあります。私も沖縄そばで2年間、客が来ない時期を経験しました。しかしそれがあってこその今です。初めは駄目でも、どうしたらいいか何回も何回も考えてリトライしていく。それが、本業であろうが新規事業であろうが一番大切なことだと思います。