新型コロナの波にハワイはどう向き合う?星野リゾート サーフジャック ハワイに聞く
私がワイキキを訪れた8月末の週末は、米国の夏休みも終盤。8月25日のイゲ知事のハワイへの渡航自粛要請もあって、街中を歩く人のマスク着用は8割程度と思ったより多かった印象がある。それでも目抜き通りカラカウア大通りにはパフォーマーも出て、夜遅くまで多くの人出で賑わい、夜になっても満席のレストランも多かった。
ビーチではマスク着用は少なく、ワイキキ周辺でも平日はそれほどの人出ではなかった。カイルアなどローカルのビーチはのんびりした感じが漂よい、いつもは行列の人気レストランも室内席にはすぐ入れた。
そんな中、オアフ島では9月13日から「Safe Access Oahu(セーフアクセスオアフ)」プログラムが施行された。レストランやバー、ジム、その他の施設を利用する際のワクチン接種証明書の提示、または過去48時間以内の陰性証明書とともに身分証明書の提示が義務付けされることになった。これは、利用客だけでなく雇用者にも適応される。
サーフジャック ハワイの営業・マーケティング担当バイスプレジデント有田(サム)亜佐美氏は「ハワイ州では観光に関わる様々な安全・衛生対策がこれまでも施行されてきましたが、セーフアクセスオアフの開始により、より一層お客様とスタッフに安全な環境が強化されていくと信じています。当ホテル内にあるレストラン・マヒナ&サンズの営業も継続しておりますが、引き続き規定に沿って対応していきたいと思います」と語る。
ハワイ在住歴33年、有田氏はハワイ州観光局やハワイの複数のホテルでオペレーションや営業・マーケティングの経験を積み、2019年11月に星野リゾートに入社。長きにわたりハワイのホスピタリティ業界を見てきているが「コロナ禍において、数ヶ月先を予測することは難しいですが、海外からお客様が以前のようにお越しいただけるようになるのはもう少し時間がかかるのではないでしょうか。残りの2021年のハワイ観光は難しい状況が続くのではないかと思っています。」と予測する。
また、旅の仕方や在り方、観光に携わる事業者の受け入れ方も変化しているとして、ニューノーマルでは既にコロナ禍でも工夫しながら継続してきた従来のプログラムに加え「お客様とローカルの方が一緒になって楽しめるサーフジャック ハワイらしい新しいイベントや体験を生み出していきたい。日本を含む世界中からのお客様が安心してハワイへお越しいただける日が遠くないことを願っています。(有田氏)」と前向きな意欲を語ってくれた。
ハワイ州のセーフトラベルズプログラムや、セーフアクセスオアフなど島ごとの規定は頻繁に更新される。旅行者も施設側も細かな対応がまだまだ必要だが、旅行者を惹きつけるハワイの魅力の強さを改めて感じた今回の旅だった。
世界的なトラベルガイド『ロンリープラネット日本語版』編集での知見を生かして、トラベルジャーナリストに。家族のいる米国ポートランドと東京とを往復しつつ、海外・国内旅行の執筆多数。日本旅行作家協会会員。