JATAとANTA、観光立国調査会へ要望書「旅行事業者の経営は極めて悪化」-緊急事態宣言の損失補償など9項目
日本旅行業協会(JATA)と全国旅行業協会(ANTA)は8月25日、自民党の観光立国調査会に向けて旅行業界への支援に関する要望書を連名で提出した。要望書では観光立国調査会のこれまでの取り組みに謝意を示したうえで、「旅行事業者の経営環境は極めて悪化している」として、業界への支援を9項目に分けて訴えている。
修学旅行等キャンセル料や観光事業者の支援については、各自治体に地方創生臨時交付金を活用することへの理解が得られていないとして、観光立国調査会から国や自治体への指導を求めた。また、JATA会員への調査によると、緊急事態宣言の発出を受けて失われた4月から8月の旅行取扱は350万人、取扱額1340億円、粗利額200億円に達するといい、事業者団体として地方創生臨時交付金の損失補償等への活用を自治体に働きかけていくにあたり、特に旅行の発着の多い東京、大阪、福岡等の地域について配慮が得られるよう支援を求めた。
ワクチン接種については、「欧米同様に接種完了した国民から行動制限を緩和し、経済を回していく必要がある」として、国内でのワクチンパスポート活用の推進と海外での使用可能国・エリアの拡大を要望。同時に、国際交流再開の最大の壁は「日本入国時の14日間隔離」だとして緩和を求めた。
要望書ではこのほか、地域観光事業支援のエリア単位での共同実施、GoToトラベル事業の早期再開及び法人需要の対象への追加、雇用調整助成金の特例措置延長、申請が締め切りとなっている家賃支援給付金や持続化給付金の再支給、資金繰り支援、法人税及び社会保険料の免除や納付猶予などを求めている。