【コラム】質問状に対するJATAからの回答

  • 2021年8月15日

 当社がお送りした質問状の原文はこちらをご参照願います。

 最初に上記の質問状をお送りしたところ、書面での回答を頂きました。次いで当社より追加質問をお送りし、再度の回答ということで2往復のやり取りをしています。

当質:当社からの質問
J回:JATAからの回答
当返:当社からの返答・追加質問
J再:JATAからの再回答

【JATAから全般的事項に関して】

●JATA会員であるエフネス社としてのご質問なのか、トラベルビジョンというメディアとしてのご質問なのか明らかにされたい。
●読者からの質問等はメディアとしてのご質問と考えられるので、JATAが開催する定例記者会見の場において提起されたい。

当返:メディアとしての質問では無く、トラベルビジョン読者のJATA会員からの質問及び意見ですが、定例記者会見においてトラベルビジョンが代理で質問・提起することをお求めでしょうか?

J再:会員のご質問以外については前回回答の通りです。


【当社からの質問に関して】

当質:コロナの影響により発生した債務を減免するような施策を政府に要望しているか?或いはする予定は有るか?

J回:雇用調整助成金の特別措置に関し、政府・与党に対する要望活動を行い、累次の延長を実現してきたところです。また、緊急事態宣言の発出により影響を受けた事業者に対しては、中小企業庁による一時金の支給も実現しました。
 また、債務等の減免の一例として、修学旅行等の中止・延期に伴うキャンセル料等への臨時交付金の活用が挙げられます。これはJATAを中心とする関係者の国への働きかけにより、地方公共団体による臨時交付金の活用方策として修旅のキャンセル料等が示されたものです。

当返:「債務の減免」と記載させた頂いたのは、コロナの影響による政府機関や金融機関等からの借入金の減免を意味しています。コロナにより毀損されたバランスシート、悪化した自己資本比率が改善されるような施策の要請をされているか、される予定が有るかお聞かせ下さい。

J再:金融機関等からの借入については各社の個別的状況が有り、JATAが一律に見解を示すべき事項ではないと認識しております。

当質:JATAとして政府に観光再開のロードマップを示すよう働きかけていくとのことだったが、政府からの回答はあったか?或いはJATA独自のものを発表する予定はあるか?

J回:政府より観光再開のロードマップ自体の提示はありませんが、ワクチン接種の加速やPCR検査体制の充実、ワクチン接種証明書の発行、地域観光事業支援等、観光再開に資する措置が逐次取られているものと理解しています。
 また、JATA独自のロードマップとしては、国際交流の再開に関するロードマップ案を7月8日の記者懇談会でお示ししています。

当質:中小規模の会員も多い業界団体としてワクチン職域接種を検討したか?したならばなぜ実現しなかったか?しなかったとしたら、なぜしなかったか?

J回:JATAによるワクチン職域接種は、会場、医師、看護師等の手配の困難性及びコストの高騰により断念せざるを得ませんでしたが、観光産業健康保険組合が東京都総合健康保険組合協議会との連携の下に、930名を超える観光産業従業員に対し、7月中旬に1回目の接種を実施しました。

当返:観光産業健康保険組合様からのご案内(計機健康保険組合様の枠)にて当社も複数名の社員が接種をさせていただきましたが、この事を指しておられますか?そうである場合、JATAとして観光産業健保組合と連携し、今回のワクチン接種が実現したと理解して宜しいでしょうか?

J再:前回の書面にて回答申し上げた通りです。

当質:ツーリズム産業共同提案体(GoTo事務局)受託費の個別団体・会社別受託額を公表願いたい。

J回:GoToトラベル事業は国の事業を共同提案体として受託したものであり、JATAとしてお答えする立場にありません。

当質:コロナ発生から今日までのJATAとしての総括をお聞かせ願いたい。

J回:コロナ発生から概ね本年6月までの総括については、第65回定時総会資料に記載の通り。その後の推移については、刻々と変化しているので総括は難しいですが、実現した施策・支援措置については会員宛メール及びJATAホームページにて随時お知らせしています。

以上

 一回目の回答、追加回答共に迅速に対応をして頂きました。しかし、お聞きしたい事に対して直接的な回答となっていない部分、当社以外のJATA会員からの質問や意見に対する回答を得られなかった事等々、十分なやり取りが出来たとは思っていません。

 新会長が専任され、JATAの新たな体制が整った今、主に中小規模の加盟会社の現状や要望を菊間会長に直接お伝えし、お応え頂く場を持たせて頂きたいと思い、インタビューのお願いをいたしました。

 責任転嫁や誹謗中傷では何も解決しません、一方で声を挙げない限り、誰にも何も伝わりません。日本の旅行業・観光産業は今、文字通り存亡の危機です。読者の皆さんの意見や提言お待ちしています。

岡田直樹
㈱エフネス代表取締役社長兼トラベルビジョン発行人。27歳でエフネスの前身㈱ルゥエストを創業し、31周年にあたる今年に至る。旅行素材のホールセール、観光関連企業への決済サービス提供、緊急対応代行、業界誌トラベルビジョン運営等々、主に観光産業内のB2B事業に携わる。
㈱ティ・エス・ディ代表取締役、一般社団法人インバウンドデジタルマーケティング協議会理事、㈱ミックナイン社外取締役​