「地方と地方を結ぶ」こだわりの路線展開-フジドリームエアラインズ代表取締役社長の楠瀬俊一氏
地方の発展重視の路線、羽田にはあえて未就航
小型機の利点を生かし、チャーターを積極展開
コロナ禍で旅行業界が苦しむなか、チャーター便を積極的に実施しているフジドリームエアラインズ(FDA、JH)。7月16日からは約10年ぶりに静岡/熊本線をデイリーで再開するなど、コロナ対策を実施しながらアフターコロナを見据えた取り組みを進めている。今回は2020年6月に代表取締役社長に就任したという、楠瀬俊一氏に今後の路線展開などの話を伺った。(聞き手:弊社代表取締役社長兼トラベルビジョン発行人 岡田直樹)
楠瀬俊一氏(以下敬称略) 1958年10月20日生まれの高知県出身です。大学を京都で過ごした後、日本郵船に入社し2013年まで30数年間務めました。日本郵船では鉄鉱石や石炭、原油、液化石油ガス(LPG)、自動車などの輸送に関わり、主に東京で営業畑を歩みながら3年ほどベルギーのブリュッセルにも赴任しました。
FDAの所属する鈴与グループに入ったのは2019年7月からです。鈴与グループと日本郵船は100年以上にわたる付き合いがあったことなどから、お世話になり始めました。1年ほど電気やガス、水道などのエネルギー関連商社である鈴与商事で副社長を務めた後、20年6月にFDAの代表取締役社長に就任しました。就任当初は新型コロナウイルス感染症(COVID-19、コロナ)の影響で全便運休しており、初めて名古屋小牧空港を訪問した際も電気がすべて消えていて悲しい思いをしました。
鈴与グループに参画したとき、航空業界は素人だったのでFDAの社長になるとは全く想定していませんでした。ただ、1年社長を務めるなかで組織や用語が海運業界と似ており、共通点はかなりあるように感じています。
楠瀬 エンブラエル社のERJ170型機を3機、ERJ175型機を13機、計16機を保有しています。定員はERJ170型機が76席、175型機が84席です。両機とも非常にコンパクトで、通路は中央に一本。シートは革張りでシートピッチや幅は大型ジェット機に負けないぐらいゆったりとした作りです。乗員からはシンプルかつ高性能で非常に扱いやすい機体だと聞いています。