ハワイの「今」を駐在員の視点から-感染者数10人台の日も、オーバーツーリズムが切実に
ワクチン接種状況
昨年12月から「エッセンシャルワーカー」を優先して開始されたワクチン接種ですが、現在は12歳以上の全州民が対象となっています。約60%が既に2回目の接種を完了しており、ハワイ諸島でも特に先行しているラナイ島では80%が1回目の接種済みで、8月には集団免疫獲得となるだろうと報道されています。
ワクチン種は変更なくファイザー、モデルナ、ジョンソン&ジョンソンの3種類から選択が可能で、ファーマーズマーケットなど人の集まるさまざまな場所で予約不要のウォークイン接種が行われています。また、ハワイ州保健局では「接種者の郵便番号別統計」を発表し、接種率の低い居住者エリアへの訪問接種も拡大しています。
身近で手軽に接種が可能になっているワクチンですが、主な対象が若年層になるに連れ、ハワイ州でも米本土と同じく、接種数に減少傾向が出てきています。実際に、連邦政府か毎週割り当て供給されているワクチンも、在庫超過のためにハワイ側から発注を断ったケースもありました。接種率を上げる解決策として、6月に他州同様に抽選で航空券やギフト券の当たるワクチン接種推奨プロモーションが実施されましたが、今後も行われるかもしれません。
ワクチン・パスポートの進捗
ハワイ到着時に「陰性証明書の提示」や「検疫の免除」になるワクチン・パスポート・プログラムは5月から始動しており、下記の日程で前進しています。
5月11日:ハワイ州内でワクチン接種をした人のハワイ諸島間移動時に適用6月15日:ハワイ州内でワクチン接種をした人の他州からの到着時に適用7月8日:米国内でワクチン接種をした人の他州からの到着時に適用
近日中に米国人のハワイ旅行に関しては、来島時のPCR検査は不要になりますが、日本人に関しては、まだしばらくは入国前、帰国前に検査が必要です。ただ、セーフ・トラベル・プログラム導入時と同じ経緯をたどるのであれば、次のステップは外国政府とハワイ州政府との規定の締結となるはずです。前回同様に最初の対象国に日本も含まれることが望まれます。
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