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コロナ下の教育現場、観光産業を目指す学生の今-駿台トラベル&ホテル専門学校 校長 塚原慶一郎氏

産学連携を通じて真に実践力ある学生を育てる

 これからも業界に留まるべきか。昨年来、観光産業に携わる若手・中堅社員の多くは、一度は自身の去就を考えたことがあるだろう。では観光産業で働くことを夢見て勉強に励む学生はどうか。コロナ禍中の学生の動向や教育現場の状況を駿台トラベル&ホテル専門学校で校長を務める塚原慶一郎氏に聞いた。(聞き手:弊社代表取締役社長兼トラベルビジョン発行人 岡田直樹)

駿台トラベル&ホテル専門学校 校長の塚原慶一郎氏
-まずは貴校のご紹介をお願いいたします。

塚原慶一郎氏(以下敬称略) 「駿台」と言うと、「トラベル&ホテル専門学校」という名前よりも大学受験の「駿台予備学校」という名前をご存知の方が多いと思いますが、学校法人駿河台学園は、幼稚園から小中高、大学、大学院、専門学校を抱える教育の総合機関であり、本校はそのうちの一校です。観光業を目指す若者を育成する専門学校として1980年に設立され、日本人対象のトラベル、鉄道、ホテル、ブライダルの全日制コース、ホテル&ブライダルの夜間コース、留学生対象のトラベル&ビジネスコースとホテル&ビジネスコースを設けています。

 創立40年を越えた現在、日本人の卒業生は1万人を超え、都内近隣を中心に主要な観光施設には卒業生の誰かが勤務していると言っても過言ではない状況となっています。実際、日本人の就職希望者の就職率は2016年から2020年3月の過去5年では99%で、コロナ時も90%近くをキープしました。

 また、コロナ前までは在学生の4割程度がベトナム、ネパール、中国、韓国、ミャンマーなどから来日した留学生で、2020年3月卒業の留学生の9割が内定をいただき、卒業後も日本で就職しました。帰国する学生も母国のホテルや旅行会社、ご家族が経営されているホテルや宿泊施設などで活躍しています。

 お客様におもてなしのサービスを提供するホスピタリティ業の仕事をしていきたいという若者が多く集まる学校なので、心優しい学生が多く、明るく仲睦まじい学校生活を送っています。クラスの人数を比較的少なく設定しているため講師と学生の距離も近く、アットホームな環境なので、保護者からも学生1人1人に丁寧なきめ細かい教育をしているという点を評価していただいています。

-カリキュラムの特徴を教えてください。

塚原 1つは少人数教育です。例えば英語力はインバウンドが増えるなか、観光業においても重視されてきていますが、中学・高校時代に英語に苦手意識を持った学生も多いため、本校ではレベルに応じでクラス分けし、過去に躓いたところから学び直しを行います。その上で企業実習の現場で英語での接客の機会に触れると、その重要性と外国のお客様とのコミュニケーションを少しでも取ることのできる面白さを実感して座学にも熱が入ります。その成果が英検やTOEICなどの成績にも反映されています。

 もう1つの特徴は、企業実習先が充実しており、かつ就職指導が充実している点です。多くの先輩たちが観光業の第一線で活躍されているおかげで多数の実習先をご提供いただいています。就職指導においても就職専属担当職員を4名配置し、就職先の企業情報の入手の仕方、履歴書の書き方、面接試験の練習、個別指導など入学してから就職活動が終了するまで、クラス担任と一緒に1人1人をサポートしています。

 授業時間の比率は学科により異なりますが、全体としては講義、実技演習、企業実習を学科の特性を考慮して3つの分野をバランスよく配当しています。

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