JATAが「新」感染対策モニターツアーの結果を報告、8割がPCR検査付きツアーを希望

 日本旅行業協会(坂巻伸昭会長、JATA)は6月14日、4月に実施した「『新』感染対策モニターツアー」の結果報告を公表した。参加者の約8割がツアーにPCR検査をつけることを希望するなど、ウィズ・アフターコロナのツアー実施に求められる対策を抽出。この結果をもとに感染対策の手引きを作成し、今後の安心安全な旅の確立につなげていく。

 モニターツアーは安全安心な旅行実施に向けた参考と感染対策への反映を目的に実施。クラブツーリズム、JTBメディアリテーリング、T―LIFEホールディングス、日本旅行、阪急交通社、名鉄観光サービス、読売旅行、ワールド航空サービスの8社が実施し、合計154人が参加した。最終ツアーから2週間が経過した後の参加者の陽性報告はなかった。

 ツアーで実施した新たな感染対策は、陽性判明時の参加者からの報告体制の確立▽COCOAアプリの登録▽ツアー実施前のPCR検査▽健康チェックシートを活用した体調管理。各旅行会社は、業界対策ガイドラインを順守している観光・食事・宿泊施設を選定▽自由散策など密を避ける観光▽バスは1人で2席利用▽観光施設の貸切見学などの多角度からの対策を徹底した。

 アンケート結果では、参加者が「旅行検討の際に重視すること」のトップは「安心安全」の73%。「PCR検査をツアーに付けたほうがいいか」は参加者が78%を占めたが、宿泊施設は60%、バス事業者は33%、食事・土産店は54%にとどまった。「感染防止対策の取組の中で安心感につながった取り組み」の1位は「参加者全員が事前にPCR検査を受けていること」だった。

 新感染対策モニターツアー

 ツアーで利用した交通機関の感染防止策について、「安心できた」は85%で、安心感の面は大多数が納得する内容だったようだ。PCR検査付ツアーについての感想は「事前に行っていたため安心して旅行に臨むことができた」のほか「しばらくの間すべてのツアーに義務化してもいいと思う」という声も。チェックシートを活用した健康管理についても概ね好意的だった。

 そのほか、モニターツアー全般への声として、安心面を評価する声が多く、やはりPCR検査を求める意見が相次いだ。

 JATAでは、この結果を踏まえ「国内団体旅行における民間スクリーニング検査の活用に係る手引き」を作成。会員へ周知していく。


情報提供:トラベルニュース社