ニューヨークの「今」を駐在員の視点からーニューヨーク旅行のお土産はワクチン!?
ワクチン接種数の加速と春の訪れが重なり、人々の外出する機会が増え街の賑わいがコロナ前の水準に戻ってきているように感じられるニューヨーク。4月以降は随分と国内旅行客の姿を見かけられるようになりました。今回はワクチン関連の話題中心にリポートいたします。
ニューヨークのワクチン接種進捗状況
2020年12月に医療従事者から開始されたワクチン接種は6月9日現在ニューヨーク州では累計約1,100万回の接種を実施、州内在住18歳以上の66.6%が最低1回、59.0%が完全接種を完了しています。昨年末は州内だけで毎日1日あたり1万5千人以上報告されていた新規感染者数はワクチン普及と反比例するように順調に減り続け、現在6月上旬は1日あたり約500人程度で推移しています。
ニューヨーク市内接種会場では最盛期1日当たり約10万人を記録していた接種数。しかし4月中旬以降下降に転じています。当初春先は接種に予約が必須でしたが、徐々に予約なしで受け入れる接種会場が増え始め、街中で見られる接種会場は5月に入るとどこも空いている印象です。
そうした状況から接種を受けていない人を接種会場へ足を向けさせてるべく、ニューヨーク市は市内地下鉄7日間チケットや動物園水族館1Dayパスを特定の会場で接種受けると無料で配布、さらにニューヨーク州は宝くじの抽選券を配布するという施策を打ち出しました。このような施策が打ち出されたのは5月以降、4月中に接種終えてしまった筆者は対象外で「もう少し待っておけば良かった」と少し惜しい気持ちもあったりします。
加えて、企業PRにワクチンを利用している民間企業もあります。店頭でワクチン接種済み証明を見せるとクリスピークリームドーナツは全米全店舗で毎日ドーナツ1個無料、シェイクシャックはニューヨーク市内店舗でフライドポテトを6月12日まで毎日無料にするとしています。ワクチンを民間企業の宣伝販促に利用することについて「犠牲になられた方がいるのにワクチンをお金儲けに利用するのはいかがなものか!?」とする意見が一部ありましたが、現在ではワクチン接種を促すきっかけになるとして世論は好意的に捉えています。
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