【京都ホテルミニインタビュー】第2弾「企業・業界の枠を超えたコラボレーションを」ホテルグレイスリー京都三条 総支配人 大出健史氏
京都ホテルミニインタビューの第2弾は、京都の繁華街のひとつ寺町京極商店街と新京極商店街の間に位置するホテルグレイスリー京都三条の大出健史総支配人にご登場いただく。コロナを機に振り返ったターゲット戦略や地域に根付いた活動について聞いた。
第1弾 エースホテル京都 上席総支配人 飯田雄介氏
大出健史氏(以下敬称略) 緊急事態宣言の発出に伴い、当初の予約数から3割減となりました。宿泊されたお客様については1人旅の方が増えた印象です。従来の一部屋当たりの平均利用人数は1.8名でしたが、今年に入ってからは1.5名となっており、数字にもその傾向が現れています。
そこで部屋で長く過ごしたいというニーズを想定し30時間滞在できるプランを作ったところ、ご好評をいただきました。商店街の中に立つホテルですので、観光だけでなく、特に若い世代の方が外で食べ物を購入して部屋でゆっくり楽しむなど、うまく利用していただいているように思います。
GW後から夏場については、予約が間際化しているということもあり、現時点では10%から20%で推移しているという状況です。
大出 第一に基本に立ち返り、藤田観光グループのホテルとして70万人を超える会員様や送客いただいている旅行会社やOTAの会員様への取り組みを強化していきたいと考えています。5年前の開業以来インバウンドのお客様の比率が9割を超える状態が続いていたので、今後日本人のお客様にもいかに選んでいただくか、満足していただくかを考えていく必要があります。
また河原町三条エリアという立地柄、観光客の方が多かったので、平日に動くビジネスユーザーへのアプローチも行っていきたいところです。ビジネスで京都へ来られる方は京都駅や烏丸の近くに宿泊されることが多いのかもしれませんが、ホテル周辺も飲食店が多く、拠点としての利便性も悪くありません。近隣のホテルとの取り組みなども強化し、企業や業界の枠を超えて地域を盛り上げるようにしていきたいと考えています。
大出 主な取り組みとしては、近隣の商店街の活動に積極的に参加しています。また、中京区の中学校の夏休みに職業体験などを受け入れたり、できる範囲の中で取り組んできています。
藤田観光グループとしてもSDGsには注力しており、8年ほど前から東京本社に専門部署を作り、ダイバーシティへの取り組みも行っています。各ホテルでも1年おきに推進担当者を任命し、広く意識を浸透させ、活動する仕組みを導入しています。また、現在レストランは休止中ではありますが、紙ストローへの切り替えや食材ロス削減にも取り組んできました。今後は更に地域への貢献に向けて具体的に動いていきたいと考えています。
大出 京都に赴任して3年が経つところですが、やはり京都の町には歴史と文化が溢れていると再認識しており、自由に行き来できるようになったら多くの日本人が京都に行きたいと願っている気持ちがとてもよくわかります。同時に、京都はものづくりがとても盛んで、アニメやゲームも含め最先端を行く場所であるところにも可能性を感じます。企業や業界の枠を超えたコラボレーションをどんどん増やし、京都の良さやすばらしさを発信できる取り組みに積極的に参加していきたいと、コロナ禍の中で改めて強く思っています。「こんなことが一緒にできないか?」というアイデアなどがあればお声がけいただけると大変嬉しいです。