これからの旅行会社に必要な3つの考え方とは?-RT Collection 柴田真人氏寄稿
第5回目のコラムとなりました。今回は旅行会社の「考え方」について書いてみたいと思います。コロナ前まではオンライン商談やセミナーは少なく、大型のイベントをオンラインで行うなんていうことも多くはありませんでした。また、「ツアー」と「Zoom」を掛け合わせたオンラインツアーなるものがここまで話題になるとも思ってもいませんでした。コロナの影響によりそのスピード感が一気に増したようなイメージです。もしコロナになっていなければ、オンラインツアーなどの普及はもっと先になっていたかもしれません。このような状況に直面している旅行会社がこれから必要な考え方は3つあります。
(1) 他の業界のリソースと掛け合わせる(2) バックキャスティング思考(3) 未来情報を知る
初めに「(1)他の業界のリソースと掛け合わせる」から見ていきましょう。旅行会社で働いていると旅行や観光に関しては詳しくなっていくものの、意外と他の業界との繋がりが少なかったり、どういった新しいサービスが世間に広まっているのかを知らなかったりすることが多いです。そのため、新しい企画をしたり、新しい事業を考えたりする際に旅行業界のリソースだけで考えてしまうことが多いです。例えば、旅行会社に勤めている場合、航空会社と何か新しいことはできないだろうか、ホテルと何か新しいことはできないだろうかといったように旅行業界内のリソースでアイデアを出そうとします。
もちろん、それはそれで間違ってはいません。しかし、私もよく経験しましたが、会議を行っていても斬新なアイデアが出てこず、会議中にみんな黙り込んでしまうようなことがよくありました。よくある例が、ベテラン社員だけで会議をしているとパッとした意見が出ず、いつもと変わらないアイデアしか出てこないことがありますが、旅行業界の経歴が短い新入社員や若手社員が同席している会議では、突拍子もないアイデアが出てくる場合があります。びっくりすると同時に斬新と思うことがよくあります。
旅行会社で働いていると旅行業界内だけのリソースで考えてしまうことがよくあるため、思い切って他の業界のリソースを2つ、3つ掛け合わせてみましょう。その際、どういった課題に対して複数のリソースを掛け合わせて解決していくのかというアプローチがおすすめです。
例えば、「観光客を大量送客することで現地のビーチがゴミだらけなる」という課題、そして「ツアー」「eラーニング」「シェアサービス」というリソースがあった場合、どのようなアイデアが思い浮かびますか?あくまでも例ですが、是非、皆さん練習がてら考えてみてください。このように他の業界のリソースを掛け合わせて、アイデアを出していくだけでも考え方が大きく変わっていきます。