アメリカの「今」を駐在員の視点から-日本とアメリカのコロナ支援を比較、西部都市の回復状況
新型コロナウィルスが猛威を奮って1年以上が過ぎました。昨年の4月はアメリカ国内でも感染者数が爆発的に増えていた頃。2021年の4月はワクチン投与が進み、アメリカ国内の新規感染者数が減少傾向にあります。これまでのアメリカ政府の補助と、当社支店がありますラスベガス、サンフランシスコ、ロサンゼルスの現地状況をお伝えいたします。
アメリカ政府による支援策
現在まで企業、個人に対してアメリカ政府が実施した主な新型コロナウィルス感染症支援策は以下の通りです。
Economic Impact Payments(略称Stimulus Check)
日本の定額給付金にあたり、アメリカ政府はこれまで3回実施しました。1回目は2020年4月で確定申告の年収が独身者7万5000ドル以下、夫婦の場合は合算で年収が15万ドル以下であれば、成人1人あたり1200ドル、非成人1人につき500ドルが受給されました。2回目は2020年12月で成人・非成人ともに1人あたり600ドルを給付。3回目は2021年3月で給付条件は1回目とほぼ同じで成人・非成人ともに1400ドルが給付されました。給付総額は成人でなんと3200ドルです。
Unemployment Insurance(略称UI)
日本の失業保険にあたります。通常の支給期間は26週間で、カリフォルニア州、ネバタ州の最大受給額は週に450ドルです。コロナ禍における支給期間は39週間(2020年2月2日~12月31日)に延長されました。更に2度の延長手続きがおこなわれ、現時点では79週間(2021年9月6日まで)の受給が可能となりました。また、特別・加算措置として600ドル/週が2020年7月末まで支給されることになり、通常の450ドルと合わせて、週に1050ドルが支給されました。月額給付額は最高額で4200ドルが数ヶ月間ありました。
2021年1月にバイデン政権が誕生し、特別・加算措置として300ドル/週が2021年9月末まで支給(450ドル+300ドル/週)されることになっています。
Paycheck Protection Program(略称PPP)
日本政府が実施した持続化給付金にあたります。アメリカ政府は中小企業の救済処置として、これまで2回のPPPを実施しました。大まかな内容としては従業員数500人以下の中小企業に対し、2.5カ月分の給与額を貸付。形式上はローンですが雇用維持の目的に沿った一定の条件を満たせば、返済は免除され給付されます。
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