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「儲かるビジネス遺伝子を持っている」観光的なモノづくりの実現目指す-鶴田ホテル 経営企画室長 鶴田宏和氏

ウェルビーイング・ビジネスの強化も視野に
ポストコロナは超のつく遊び人に観光のプレーヤーとして参加してほしい

-宿泊施設の供給過剰も関係していますか。
鶴田氏

鶴田 最近は特にそうです。17年、18年くらいからリート、いわゆる不動産信託が多くなり、同時期に別府のインバウンドが全国でも屈指の伸びを示したため、外部資本がこの地域の宿泊事業に参入してきました。

 計画時点では各資本とも自分たちが他に先んじて参入できるものと考えていたのでしょうが、ゲートが開いてみると名だたるチェーンホテルの新規開業計画が横並びにズラリ。地場の我々既存事業者はコロナに加えて客室供給過多の急激な外部変化に対してこれまでにない経営判断を求められることになりました。

-供給過多の状況はどのように調整されていくと見ていますか。

鶴田 明らかに淘汰が進むでしょう。基本的に不動産ゲームになっています。宿泊業云々ではなく、要はお金の話です。宿泊業で生きてきた既存の事業者にとっては厳しい状況です。今年以降も多くのホテルがオープンする予定で、客室は1000室以上も増える計算です。その前から増えていた民泊の200室程度を加えると合わせて1200室以上の供給増加。以前は別府全体で5000室程度でしたから客室供給力は約20%以上の増えることになります。

 これに見合う需要増を図るには交通キャパの拡大も必要だし実現は難しい。となれば供給過多で競争が激化し単価低落傾向は止まらず淘汰が進む。24年半ば以降には退場者が増すと見ています。

-退場しようにも、その時点で買い手が付かないことになりませんか。

鶴田 希望的観測ですがコロナ禍が収まりインバウンドが戻って来るはずですから、まだ買い手は付くと思います。ただし不動産として。宿所有と運営の分離が進んでいくと宿泊事業としては買い手が付きづらくなっていきます。

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