オーストラリア、「新型コロナウイルス」のワクチン接種情報

  • 2021年3月19日
  • 出典:OTOA

オーストラリアでは、2021年2月21日よりオーストラリア国内初となる新型コロナウイルスのワクチン接種が開始され、オーストラリア連邦 スコット・モリソン首相、ポール・ケリー主席医務官やアリソン・マクミラン看護・助産師長らが新型コロナウイルスワクチンの接種を受けました。

2月22日からは、オーストラリア全土で新型コロナウイルスのワクチン接種が始まり、オーストラリアは新型コロナウイルスのパンデミックから抜け出すための大きな一歩を踏み出した、と言えるでしょう。

■ 3月22日より「グループ1b」の新型コロナウィルスワクチンの接種開始

オーストラリア政府は3月22日(月)から「グループ1b」の新型コロナウィルスのワクチン接種を開始すると発表しました。

「グループ1b」は70歳以上の高齢者、既往症を有する人(身体障害者を含む)、アボリジニおよびトレス海峡諸島人の成人、危険度の高い重要業務(国防、警察、消防、災害対策、食肉処理等)に従事する人が対象となります。

■ オーストラリアにおける新型コロナウイルスのワクチン接種プログラム

オーストラリアにおける新型コロナウイルスのワクチン接種のロードマップ、承認されているワクチンの種類、ワクチンの接種会場など、気になる情報を確認して行きたいと思います

◎ ワクチン接種のロードマップ

オーストラリアでは、新型コロナウイルスのワクチン接種を希望する場合、無料でワクチン接種を受けることが可能となっておりますが、その接種に際し4つのグループに分けられることが発表されております。

新型コロナウイルスのワクチン接種に際し、自分自身がどのフェーズに当てはまるか、また接種時期はいつ頃になるか、下記の「Vaccine Eligibility Checker」にて確認が可能です。

→ Vaccine Eligibility Checker(ワクチン適合チェック)

 https://covid-vaccine.healthdirect.gov.au/eligibility

グループ 1a(フェーズ 1a)

* 検疫・出入国管理職員

* 最前線医療従事者(呼吸器クリック及びCOVID-19検査場職員、救急隊員・救急救命士、

 ICU・救急病棟職員、臨床・補助職員等)

* 高齢者・身障者介護職員

* 高齢者・身障者介護施設入居者

また、新型コロナウイルスのワクチン接種に関する限り、高齢者介護施設で定期的に奉仕するボランティアスタッフは、職員と同等に見なされ「グループ1a」としてワクチン接種を受けることが可能。

※接種時期予定: 2月22日から4月まで

グループ 1b(フェーズ 1b)

* 70歳以上の人

* 上記(グループ1a)以外の医療従事者

* アボリジニ及びトーレス海峡諸島人の成人へのワクチン接種開始

* 既往症を有する人(身障者を含む)

* 危険度の高い重要業務(国防、警察、消防、災害対策、食肉処理等)に従事する人

※接種時期予定: 3月22日より開始

グループ 2a(フェーズ 2a)

* 50歳以上の人

* アボリジニおよびトーレス海峡諸島人の成人へのワクチン接種継続

* その他の重要・高リスク業務従事者

※接種時期予定: 5月から6月終わり頃

グループ 2b(フェーズ 2b)

* 上記以外の成人

* これまでのフェーズの対象者で未接種の人

※接種時期予定: 6月終わりから7月初めに接種開始予定

グループ3(フェーズ 3)

* 未成年者(推奨される場合)

※接種時期予定: 9月初めから11月初め頃

◎ オーストラリアで新型コロナウイルスのワクチンを受けられる人

オーストラリアでは新型コロナウイルスのワクチン接種は、誰でも無料で接種が可能、オーストラリア国民では無い人、永住権を持っていない人、オーストラリアの保健システム・Medicareカードを持っていない人、また海外旅行者、留学生、移民、難民等、誰もが無料で接種が可能です。

オーストラリア政府の新型コロナワクチン接種による情報は、オーストラリアが移民国家であることを反映して、各言語で情報の発信が行われています。

→ オーストラリア政府による日本語の新型コロナウィルスワクチン接種情報

 https://www.health.gov.au/node/18257

◎ ワクチン接種を受けられる場所

GP(General Practices)と呼ばれる一般医

掛かりつけの一般医(GP)でワクチン接種が可能となります。

一般医(GP)での接種は「フェーズ1b」から開始予定となりますが、この新型コロナウイルス・ワクチン接種プログラムに参加する意思を表明している一般医のみが参加するため、特にフェーズ1b初期の段階では参加する診療所の数は限られます。

フェーズが進むと共に、ワクチン接種プログラムに参加する一般医の数も増加することが見込まれ、これにより新型コロナウイルスのワクチン接種に関して、地域社会における重要な役割を果たすこととなります。

この新型コロナウイルス・ワクチン接種・プログラムに参加し、ワクチン接種を行う医療従事者は例外なく全員が訓練を受ける必要がありますが、当初約1,000ヵ所の一般医(GP)がワクチン接種を引き受けることになると予想されておりましたが、2021年1月末の段階で、2,000ヵ所超の一般医(GP)が参加登録を済ませており、新型コロナウイルスのワクチン接種率の増加に多大な寄与となります。

薬局

近隣の薬局でも接種が可能になります。

既にオーストラリア国内でインフルエンザ・ワクチン接種を行っている薬局、約5,800軒は、新型コロナウイルスのワクチン接種にも同様に参加するよう、オーストラリア政府より奨励が出されており、多数の薬局で新型コロナウイルスのワクチン接種が可能となる予定です。

これらの薬局は既にインフルエンザ・ワクチン接種の訓練を受けており、経験がある上、オーストラリアにおいて新型コロナウイルス・ワクチンを受ける場所の選択が大きく広がり、接種率が上がることから大きな期待が寄せられています。

掛かりつけの一般医(GP)同様に、行きつけの薬局でワクチン接種が受けられるようであれば、オーストラリア市民が安心して接種を受けに来る下地があると思われます。

アボリジニ、トーレス海峡島民の地域管理保健サービス施設

アボリジニとトーレス海峡島民の地域管理保健サービス(ACCHS)のほとんどの施設がワクチン接種プログラムに参加します。ACCHSは、アボリジニとトーレス海峡島民はもちろん、それ以外の近隣地域社会の他の人々にもワクチン接種を実施します。

■ オーストラリアではワクチン接種は義務? ワクチン接種の証明書は発行される?

オーストラリアにおいて、新型コロナウイルスのワクチン接種は任意であり、強制及び義務ではありません。

オーストラリア連邦政府は、新型コロナウイルス・ワクチン接種プログラムの促進プログラムのひとつとして、ワクチン接種のデジタル証明書がスマートフォンのアプリでダウンロード及び表示できるようになることを発表しております。

「The Express Plus Medicare」アプリ、およびオーストラリア国民・永住者が保有するMyGovアカウントにはワクチン接種のデジタル証明書が保存できるようになり、ワクチン接種の証明書のハードコピーが必要な場合には、ワクチン接種の医療機関やServices Australiaにて印刷が可能となります。

この新型コロナウイルスのワクチン接種デジタル証明書は、高齢者介護施設や病院など高リスクの職場で働く場合、また今後オーストラリア国内他州への移動の際、その手続きを簡略化するのが狙いとなっており、また、国境オープンの際には、オーストラリアへの出入国に重要な役割を果たすことになります。

新型コロナウイルス・ワクチン接種に関し、ワクチン接種を行う医療機関は、新型コロナウイルス・ワクチンを含むすべてのワクチン接種の記録を登録する義務があります。

以上、ご注意ください。

情報提供:株式会社トランスオービット日本海外ツアーオペレーター協会