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復活のキーワードは「LGBTQ」、ひとりひとりにパーソナライズされたサービスをーグランディスタイル沖縄読谷ホテル&リゾート総支配人 芝原英幸氏

地域とともに未来を考え、観光地としての価値を高める
読谷村ならではの「格好良さ」も発信

 42歳の若さでKPG HOTEL&RESORT傘下の高級リゾートホテル、グランディスタイル沖縄読谷ホテル&リゾートの総支配人を務める芝原英幸氏。ホテルの特性を活かし、LGBTQマーケットに対しても積極的にアプローチをかけている。地域とともに読谷村の観光地としての価値を高めていきたいと語る芝原氏に、これまでの取り組みや今後の展開について聞いた。インタビューは3月11日に実施した。(聞き手:弊社代表取締役社長兼トラベルビジョン発行人 岡田直樹)

グランディスタイル沖縄読谷ホテル&リゾート総支配人 芝原英幸氏
-はじめにグランディスタイル沖縄読谷ホテル&リゾート並びにご自身のご紹介をお願いいたします

芝原英幸氏(以下敬称略) 沖縄にはお客様の欲求を満たすホテルは既に十分あるという考え方のもと、自然溢れる読谷村で「何もしない沖縄」という新しいライフスタイルを提案するホテルとして2019年7月に開業しました。客室数は54室で、うちプレミアムルームが9室、スタンダードが45室です。沖縄でも屋外プールは冬季にはクローズするのが一般的ですが、当ホテルの屋外プールは年間を通して利用可能です。

 私たちは今でこそLGBTQフレンドリーなホテルを目指していますが、立ち上げ時は「男女」のカップルをターゲットとしていました。そのため各部屋には男性向けに「書斎」、女性向けに「ドレッサー」を設置し、それぞれが自分の時間を過ごすことができる設えにしています。当初はパジャマも男女で分けて用意していました。

 私は幼稚園の頃から24時間明かりが灯っているホテルという場所に憧れ、小学校の文集にはずっと「将来の夢はホテルマン」と書いてきました。出身地である北海道のマリオット系のルネサンスホテルで8年働いた後、ソラーレホテルグループに移り、ロワジールホテルのリブランドに関わりました。2013年にソラーレの縁で沖縄の北部にある当時のJALプライベートリゾートオクマというリゾートホテルに入り、はじめて沖縄へ。2016年からはカフーリゾートでお世話になり、当ホテルには開業準備室が立ち上げられた2019年1月より関わっています。

 今までシティホテルでの経験が長かったため、沖縄に来てリゾートホテルを経験する中で一番勉強になったのは、ホテル単体の利益を上げていくことを目的とする考え方から、地域の魅力とホテルの魅力の相乗効果を出すこととでエリア全体の価値を高めていくという考え方に変わったことです。またLGBTQについても、カフーリゾートのウエディングへの取り組みを通してそういったマーケットがあることを知りました。当ホテルはプライバシーを守ることを重視した造りですので、プライベートな時間を大切にしたい方にもフィットするのではないかと考えています。

-沖縄の観光産業の現状をお聞かせください

芝原 2020年の入域観光客数は前年の63.2%、373万人ほどまで減少しました。業種、業態ごとに差はあると思いますが、例えばホテル業界においては、従業員の雇用についても難しい局面に立たされているところも少なくない印象です。

 コロナ禍と言われるこの1年はメディアの報道にマーケット全体が左右されやすい状況であると感じていました。感染者数の日々の変化や行政の対策などが報道されるたびに予約の出入りも激しく、先んじて戦略が立てられない状況が続きました。

 2度目の緊急事態宣言を受け、レストランも営業時間を縮小しています。1日当たり4万円の協力金が支給されますが、17日間クローズすると1ヶ月で68万円。レストランによっては1日分の売上にしかならないところもあるかと思います。また県では今年2月、「家族でStay Hotel」という景気施策を実施しましたが、こちらも一律50万円の支援でした。現在は支援がすべてフラットな状態のため、規模に合わせた施策も検討してくれたらと思います。

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