サイトコントローラーの機能強化、宿泊施設と旅行会社をサポート-シーナッツ代表取締役社長の山田英樹氏
- 2021年3月9日
多様化する客室販売を高機能なサイトコントローラーで効率化
旅行再開に向けサービス強化も
2007年に設立以来、宿泊施設向けに予約・残室・料金管理システムを提供するサイトコントローラー「TL-リンカーン」を提供しているシーナッツ。新型コロナウイルス感染症(COVID-19、コロナ)の流行で売上を減らすなか、先を見据えてサービス強化のための投資を継続している。「旅行会社と宿泊施設の間で双方の業務を支援したい」とする同社代表取締役社長の山田英樹氏に、これまでの取り組みや今後の見通しを聞いた。インタビューは2月25日に実施した。(聞き手:弊社代表取締役社長兼トラベルビジョン発行人 岡田直樹)
山田英樹氏(以下敬称略) もともと新卒でリクルートに入社し、広告の販売促進をずっと担当していた。その後、じゃらんに異動して沖縄の販売会社(現リクルートライフスタイル沖縄)を立ち上げた後、インドネシアのジャカルタでOTAを運営し、日本に戻ってきてシーナッツの社長に就任した。広告や旅行の販売会社で販促を担当した経験を活かしながら、シーナッツで宿泊施設の業務を支援している。主力商品はサイトコントローラーの「TL-リンカーン」で、このほか「TL-Group Travel」という、リアルエージェントの団体旅行を予約管理する仕組みを提供中だ。
山田 TL-リンカーンは宿泊施設が客室の販売を管理できるサイトコントローラーだ。宿泊施設にとっての一番のメリットは、客室を販売・管理しやすくなること。在庫をリアルエージェント・OTAなど複数の旅行会社に提供したとき、サイトコントローラーがない時は1社ごとに料金や在庫管理をしていたと思うが、TL-リンカーンを使えばすべての旅行会社の料金を一括で管理できる。
旅行会社から流れてくる予約通知のフォーマットはばらばらだが、TL-リンカーンではそうした通知を一括で取り込んでPMSにデータを流し込む。宿泊施設の担当者が予約情報をデータ化してPMSに取り込む人的作業がなくなるので、業務を改善できている。
我々がTL-リンカーンの中で一番注力しているのは、宿泊施設に便利に使ってもらうためのサポートだ。宿泊施設が抱いた疑問や業務上の課題にすぐ対応し、ストレスなく解決できるよう、コールセンターに力を入れている。コロナ禍でも朝9時から夜8時まで、365日対応している。毎日200件弱の電話をいただいており、宿泊施設からの評価も非常に高い。
一方、旅行会社は宿泊施設の在庫を獲得してカスタマーに販売する方法を取っているため、客室の仕入れにとてもパワーがかかるし、常に競合他社と在庫を取り合っている。しかし、TL-リンカーンに接続すれば、販売できる在庫は常に提供される。宿泊施設は複数の旅行会社に提供する在庫を個別にではなく一元的に放出するので、旅行会社からすると仕入業務が大幅に効率化できると思う。