ハワイ、需要回復まで長期戦で挑むリカバリー策とは-ハワイ州観光局日本支局長ミツエ・ヴァーレイ氏

21年の目標は50万人、鍵は帰国時の14日間自主隔離
レスポンシブルツーリズムと並行で「マラマハワイ」も訴求

—レスポンシブルツーリズムあるいはリレーションシップツーリズムについて、詳しくお聞かせください。

ヴァーレイ氏 ヴァーレイ 日本語では「責任ある観光」と言われていますが、トップダウンのプロモーションテーマではありません。特にB to Cでプロモーションする場合にはハワイの人達が大切にしている自然や文化について知ってもらい、継承していくための活動に旅行者も参画して体験できる機会を創出したいと考えています。今後は、ハワイ語で「思いやりの心」を意味する「マラマ」という言葉を使って、「マラマハワイ」としてプロモーションしていきたいと考えています。

 観光局の仕事は、裾野の広いターゲットオーディエンスである次世代のファンを増やすためのブランディングを進めていくことですが、今回の新型コロナウイルスのような世界規模の危機に直面した場合、まずはハワイと関係を持つリピーターの人たちにサポートしてもらうことから回復は始まると思います。レスポンシブルツーリズムに敏感に反応してもらえるのも、そうしたコアなファンが最初です。HTJとしては、リピーターの人たちに戻ってきてもらい、レスポンシブルツーリズムの必然性を理解して賛同してもらい、そこから一般の旅行者に広めてもらいたいと考えています。

 レスポンシブルツーリズムをレジャーとMICEで考えた時、MICEにはチャンスがあると思います。レジャーについては、リピータ率が68%にもなるハワイでは、旅行会社の企画力やより早い動きが必要になってくるのではないでしょうか。

—最後に、旅行業界に向けたメッセージをお願いします。

ヴァーレイ まずは、日本の旅行業界に対して、長い間ハワイを応援してもらっていることに感謝を申し上げたいと思います。海外旅行の回復に向けて、「まずはハワイから」と仰っていただき、ありがたいことだと思っています。

 現状、日本人観光客が激減している中、ハワイ州では米国国内市場でのプロモーションに予算を振り変えるという動きもあるため、HTJは「日本のことを忘れないでほしい。日本人は回復し始めると、戻りは早い」と訴えているところです。

 日本の旅行業界の皆様と一緒に「日本ほどハワイにリソースを投下している国はない」ということをハワイ州へ伝えていければと思います。ハワイほど、プロダクトがあり、チャンスがあり、安全でブランド力が高いデスティネーションはないと思いますので、新しいニーズに合わせたハワイの商品開発の取り組みをご一緒できれば幸いです。

—ありがとうごさいました。