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アパグループ代表 元谷外志雄氏

  • 2021年1月7日

 昨年は、本来であれば東京オリンピック・パラリンピックが開催されて、宿泊・観光業界にとっても、日本全体にとっても素晴らしい年になるはずでしたが、新型コロナウイルス感染症の世界的な感染拡大によって状況は一変し、宿泊・観光業界にとっては大変厳しい年となりました。

 当社もこれまで経験したことにない低稼働率に直面しましたが、「ピンチをチャンスに」を合言葉に、テレワークプランや2,500円キャンペーンなどでコロナ禍での新たな需要を掘り起こしたり、IT化でチェックイン・チェックアウト業務を効率化したり、業務の無駄を見直すなど、社員一丸となって経営改善を進めてまいりました。さらに、社会のインフラとしてのホテルの役割というものを考えた結果、コロナ感染者のうち軽症者・無症状者を受け入れ、お客様がいらっしゃる限りは緊急事態宣言下にあっても休業せずに営業を継続してまいりました。

 当社グループは今年で創業50周年を迎えます。日本には四季や素晴らしい景色、伝統文化があり、食事はおいしく、清潔で治安が良く、公共交通機関が時間通りに運行しているなど、世界有数の観光大国となるポテンシャルがあります。さらに、近隣のアジア諸国の所得水準が上がっていけば、海外旅行ブームが起こり、訪日外国人客も益々増えていくことが予想されます。

 このように長期的な視点に立てば、日本の宿泊・観光業はまだまだ成長の余地があり、今後日本経済を牽引していくことのできる数少ない成長産業の一つと言えます。

 コロナ禍が一日も早く終息し、東京オリンピック・パラリンピックが盛大に開催されることを願いつつ、更なる飛躍に向けて、今できることに全力で取り組んでまいります。