訪日回復に備えセールス継続-帝国ホテルシンガポール営業所長 島田浩司氏
オンラインと対面のハイブリット型セールスを展開
需要回復は富裕層レジャーから
島田 東京・大阪ともに月間でならすと客室稼働率は20%台ですが、Go Toキャンペーンやプロモーションの成果もあり徐々に回復しており、週末などは日によって稼働が50%を超える日もでてきました。スイートや2食付きプランなど高額のプランも以前に比べると良く売れています。
上高地は三密を避けられる山岳リゾートということもあり、非常に好調です。今年はコロナの影響で開業が遅れて7月から営業していますが、お盆過ぎあたりから予約が増え始め、需要はほぼ前年並みに回復しています。しかしながら、稼働率を100%にしてしまうと館内レストランが混みあってしまうため、現在はお客様の安全を考え、稼働率を最大70%に抑えており、おかげさまで満室のご予約をいただいております。
また、東京では、料理長考案のルームサービスの夕朝食をスイートの中で提供する1日1室限定のスイートプラン、大阪では180度を見渡せる絶景のスイートでのステイケーションプラン、上高地では密を避けて自然のなかでゆっくり過ごしていただくプランなど、これまでにないほどのさまざまなプランを販売しています。国内のお客様では、弊社のインペリアルクラブ会員のお客様はコロナ禍でも継続してご利用いただいておりますが、GO TOキャンペーンの影響もあり、初めてご利用いただくお客様も沢山いらっしゃいます。
5月に東京で緊急事態宣言が出た際に、弊社では社長から全社員約2500人に向けて一斉メールを配信し、運営再開へ向けてアイデアを募りました。最終的には5473件ものアイデアが集まりました。引き続き厳しい状況ではありますが、こうした社員一丸となったチームワークの成果が徐々に出てきているのかなと感じています。
島田 いつコロナのワクチンが開発され、安全に移動できるようになるかは分かりませんが、とにかく人事を尽くして天命を待つ、むしろ天命を待つために人事を尽くし続けるしかないと思っています。お客様とのコンタクトを続け、経費を絞り、ニューノーマルの時代にもお客様が安心して過ごせるような商品、取り組みを絶えず考え続ける。できることを一つ一つこなしていかなければならないのは、ホテルも旅行会社も同じだと思います。
こちらでセールスをしていると、安心して日本に遊びに行ける日を心待ちにしている方が非常に多くいらっしゃいます。旅行業界にとって非常に厳しい状況が続いておりますが、明けない夜はありません。ぜひ前向きに、皆で力を合わせて頑張りましょう。