オーストラリア、「新型コロナウイルス」に関する最新情報
オーストラリアにおける新型コロナウイルス(COVID-19)に起因する、旅行者が知っておくべき行動制限、観光施設、飲食店、商店のオープンなどの最新情報をお知らせいたします。
■ オーストラリア各州で実施されている州境制限
◎ ニューサウスウェールズ州(シドニーなど)
ビクトリア州からの入州不可。その他の州からの入州を許可。
◎ ビクトリア州(メルボルンなど)
全ての州からの入州を許可。
◎ オーストラリア首都特別地域(キャンベラ)
ビクトリア州からの入州不可。その他の州からの入州を許可。
◎ クイーンズランド州(ゴールドコースト、ケアンズなど)
ビクトリア州、ニューサウスウェールズ州からの入州を拒否。
(10月01日よりニューサウスウェールズ州のバイロンベイ等、州境付近の一部地域の居住者は入州可能)
ノーザンテリトリー準州、タスマニア州、クイーンズランド州、西オーストラリア州からの入州を許可。
◎ 南オーストラリア州(アデレードなど)
ビクトリア州からの入州を拒否。
ノーザンテリトリー準州、タスマニア州、クイーンズランド州、西オーストラリア州、
オーストラリア首都特別地域、ニューサウスウェールズ州からの入州を許可。
入州の14日前までにオンライン申請要。
◎ 西オーストラリア州(パースなど)
「免除旅行者」以外の入州不可。(観光旅行は「免除旅行者」に含まれない)
◎ タスマニア州(ホバートなど)
ビクトリア州からの入州を拒否。
ニューサウスウェールズ州、クイーンズランド州のホットスポットからの入州を拒否。
南オーストラリア州、クイーンズランド州(ホットスポットを除く)、西オーストラリア州、
ノーザンテリトリー準州、オーストラリア首都特別地域、ニューサウスウェールズ州
(ホットスポットを除く)は入州を許可するが、ホテルでの強制隔離が必要。
◎ ノーザンテリトリー準州(エアーズロック、ダーウィンなど)
ビクトリア州からの入州を拒否。
その他の州からの入州を許可。
ノーザンテリトリー準州到着の72時間前から到着までにオンライン申請要。
■ 国境閉鎖は2021年後半まで続く可能性
連邦財務長官のジョシュ・フライデンバーグは、10月07日の予算発表後のプレスクラブ演説で、オーストラリアの国境閉鎖は2021年後半まで続く可能性があるという見通しを明らかにしました。
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★ 本情報の注意事項
* オーストラリアでは連邦政府が国境に関する規制、及びオーストラリア国内の大枠の制限を決め、各州政府が更に細かい制限を決定します。
* オーストラリア連邦政府と各州の政府とで同じ事柄に対して異なる制限がある場合、州政府の決めた制限が優先されます。
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■ オーストラリア国内感染者数
10月11日時点のオーストラリア国内の新型コロナウイルスの感染者数、及び死者数は以下の通りです。
* オーストラリア全土感染者数: 27,264名
(ACT=113、NSW=4,277、NT=33、QLD=1,161、SA=475、TAS=230、VIC=20,281、WA=694)
* オーストラリア全土死者数: 898名
※オーストラリア政府保険局 コロナウィルスの現況と症例者数
https://www.health.gov.au/news/health-alerts/novel-coronavirus-2019-ncov-health-alert/coronavirus-covid-19-current-situation-and-case-numbers
■ オーストラリア出入国制限、緩和・解除の見通し
オーストラリアの新型コロナウイルスによる、オーストラリアへの入国、及び出国の制限は以下の通りです。
* 3月20日 21:00以降、オーストラリアへの渡航者の全ての入国が禁止。
(オーストラリア市民および永住者を除く)
* オーストラリア市民および永住者は、到着日から14日間は強制検疫施設に隔離される。
* オーストラリア国外からの到着を1週間あたり6,000人に制限。(4,000人より増員)
* 帰国を希望するが、入国制限、航空便の運航状況によって実現できていない
オーストラリア人は23,000人以上。(9月時点)
* すべてのオーストラリア市民および永住者は、免除が認められない限り、オーストラリアの
出国を禁止。
* オーストラリア連邦政府は、ニュージーランドからの入国を12月を目標に調整を進めている。
* 日本などその他の国・地域に関してはまだ具体的になっておりません。
■ ニュージーランドからの旅行者を一部の州で受け入れへ
マイケル・マコーマックは副首相は、10月16日よりニュージーランドからオーストラリアの一部の州への入国を、14日間の検疫期間無しで受け入れを開始すると発表しました。
ニュージーランドからの訪問者は、当初はニューサウスウェールズ州(シドニー等)とノーザンテリトリー準州(エアーズロック、ダーウィン等)に限られます。南オーストラリア州も含まれるとみられていましたが、現時点ではまだ参加を確定していません。
今回の入国制限緩和はニュージーランドからオーストラリアへの入国のみの行われます。
ニュージーランド人がオーストラリアからニュージーランドへ帰国した際に、現行の管理隔離措置は免除されることなく、引き続き管理隔離を受ける必要があります。
オーストラリア人及び永住権所持者は、引き続き12月17日までオーストラリアからの出国を原則禁止となり、許可を得てニュージーランドへ出国した場合も、ニュージーランドで隔離措置を受けることになります。
2019/2020年度のニュージーランドからオーストラリアへの短期旅行者はおよそ100万人、国別ではニュージーランドが1位となっています。これはおよそ全体の15%を占め、日本の約2.7倍となっています。
■ 海外留学生の受け入れ「パイロット・プログラム」の実施
連邦政府は一時的に国外に出ていた留学生のオーストラリア帰国の許可「パイロット・プログラム」を実施することを決定しました。
* 9月初めに約300名の選抜された留学生がシンガポールよりアデレードへ入国
* 到着する学生は2週間の強制隔離の対象となり、1日目と12日目にコロナウィルスの検査を実施
* 強制隔離の費用は、留学先の大学が負担
* 今回のパイロット・プログラムに選抜される留学生の出身国は明らかにされていない
■ 7月23日のオーストラリア政府財務省の発表
* 7月23日にオーストラリア政府財務省の発表した連邦予算見通しでは、コロナウイルスによって引き起こされた国境制限を2021年1月から「段階的に」解除すると仮定しました。
* 2021年1月にオーストラリア国境を開きますが、2021年6月30日まで14日間の隔離措置は続くと財務省は想定しています。
* これは実質的に海外からの短期の観光客がオーストラリア旅行をできるのは、2021年7月以降になることを意味します。
* コロナウイルスに関する環境は非常に流動的であるため、これはあくまで財務省による予算見通しのための仮定であり、その開始日について政策決定は行われていないとのことです。
■ オーストラリア国民、永住者の出国
オーストラリアは2020年3月25日より、オーストラリア国民、永住者の出国を原則禁止した、世界の民主主義国家の中で唯一の国となっています。
厳格な新型コロナ対策で知られるニュージーランドをはじめ、その他、イギリス、カナダ、シンガポール等でも、政府により自国外へ出ないことを強く推奨しておりますが、自国出国の禁止はしておりません。
オーストラリア国民または永住者がやむを得ない理由で出国しなければばらない場合は、事前にオンラインで国境警備隊に申請が必要になります。
この申請は厳格な免除基準を満たさない限り、オーストラリア国外への旅行は許可されません。
なお、この出国禁止措置は10月24日に終了される予定でしたが、12月17日まで延長されました。
■ 規制解除へのロードマップ
5月8日の国家内閣の結果を受けて、モリソン首相は新型コロナウイルスに対する安全で持続可能なオーストラリアの経済を7月に実現するとの目標に向けて、これまでの制限措置を3段階で緩和していく「新型コロナウイルスに対する安全な豪州のためのロードマップ」を発表しました。
これら制限措置の緩和は、各州・準州政府が各地の状況を踏まえながら今後具体的に決定します。
国家内閣は、この制限措置の緩和を3週間ごとに見直すこととしています。
主な内容は以下のとおりです。いずれの段階においても新たな生活様式として、
・1.5メートルの物理的距離を取ること
・適切な衛生管理(体調不良の場合の自宅待機や感染検査を含む)
・COVIDSafeアプリの利用
が成功の鍵を握るとされ、その遵守が求められています。
※各州により独自に策定した規制緩和を実施しており、各州による相違が大きくなってきています。
各州の規制内容に関しては、それぞれの都市・州の規制情報を参照ください。
◎ ステップ1
・5人までの自宅への来客
・職場以外の公共の場での10人までの集会
・在宅勤務の推奨
・ラッシュ時の公共交通機関利用の抑制
・レストラン、カフェ、一般商店、図書館、コミュニティ・センター、プレイグラウンド、ブート・キャンプの再開
・近郊の旅行
◎ ステップ2
・自宅及び職場以外の公共の場での20人までの集会
・在宅勤務の推奨
・ラッシュ時の公共交通機関利用の抑制
・ジム、美容サロン、映画館、美術館、アミューズメント・パーク、キャラバン・パーク、
キャンプ場の再開(いずれも20人まで)
・一部の州外への旅行
◎ ステップ3
屋内集会に関しては、上限100人までの予定が廃案になり、代わって従来通り「1人あたり4平米確保」の規制となります。入場者の上限は各施設の面積で割り出され、収容人員4万人以下の施設・スタジアムでは、座席を指定した上で1万人までの入場が出来るようになります。
但し、1.5mのソーシャルディスタンスの制限が適用されることとなります。
収容人員4万人を超える施設・スタジアムに関しては、ステップ3以降に解禁計画が進められると発表されております。(ステップ3での対応は不可)
■ オーストラリアにおけるマスク事情
米国、ヨーロッパの各国でも新型コロナウィルスの感染防止にマスク着用の推奨が行われ、多くの国では外出時のマスク着用の義務化も行われてきています。
オーストラリア連邦政府保健局が新型コロナウィルスの感染予防策として、社会的距離の確保、頻繁な手洗いの実施、消毒液の使用などを推奨し、マスク着用は推奨していなかったこともあり、オーストラリアではマスクを着用している人はほとんど見られませんでした。
8月02日より感染が急拡大しているビクトリア州・メルボルンでは、州内全域でマスクの着用を義務付けが実施され、オーストラリアにおいても徐々にマスク着用に対する事情も変わってきています。
隣接するニューサウスウェールズ州のシドニーでも公共交通機関やスーパーマーケット等でのマスク着用の推奨が州政府より発表され、シドニー近郊でもクラスター発生が続いていることもあり、マスクの着用者が8月になってから増え始めております。
それでもシドニー市内では、バスや電車などの車内でもマスク着用者は30~40%程度とかなり増加いたしましたが、屋外では人が多い場所でも10~20%程度にとどまっております。
他の地域、及び他州では新規感染者数がゼロ、または1~2名が続き、感染が拡大していないこともあり、マスクを着用している人を見ること自体が稀です。
オーストラリアでは新型コロナウィルスの対策として、マスク着用が進まない理由として考えられるのは以下の通りです。
1) マスクを付ける習慣がない
米国、ヨーロッパ諸国と同じように、オーストラリアでは病人でない限り、マスクを付けるという習慣はありません。
2) 政府関係機関からコロナ対策として推奨されていない。
政府関連機関の新型コロナウイルスの推奨防止策として、頻繁な手洗い、消毒液(サニタイザー)の使用、社会的距離の確保などが推奨されておりますが、マスクの日常的な着用は推奨されていませんでした。
これまではマスク着用はコロナウイルス感染症予防に大きな役割は果たさないという見解でしたが、7月31日に保健局の副医務官より「コロナウイルス感染拡大を抑制するため、オーストラリア国民全員がマスクの着用を検討すべき」との発表がありました。
今後、オーストラリアでもマスク着用がスタンダードになって行く可能性があります。
→参考: オーストラリア政府保険局
https://www.health.gov.au/news/health-alerts/novel-coronavirus-2019-ncov-health-alert/how-to-protect-yourself-and-others-from-coronavirus-covid-19
3) 一般用マスクを売っていない。売っていても高い。
大手のドラッグストアでは、一般用の使い捨てマスクが売られているのを目にする機会はほとんどありません。オーストラリアで販売されているマスクは、一部のドラッグストアで1枚5AUドル(約380円)の主に医療従事者が利用する高機能マスク、またはハードウェアショップ(金物屋)で売られている粉塵対策の工事用マスクに限られています。
4月頃よりアジア系のスーパー、普段マスクを売っていないような商店で、日本で一時出回った「ナゾノマスク」のようなマスクが、シドニー、メルボルンなどのアジア系住民の多い大都市では手に入るようになりましたが、その価格は1枚1.5~2AUドル(110円~150円)と高価であることから、気軽に使い捨てできません。
4) 国内での感染リスクは少ないと考える人が多い(メルボルン、シドニーを除く)
メルボルン、シドニーでは感染リスクが高くなってきていると考える人が増えてきています。
その他の州、地域では、新規の感染者がゼロ、または1桁が続いているため、感染リスクが高いと考える人は多くありません。
5) マスク無しでコロナ封じ込めに成功している(メルボルン、シドニーを除く)
オーストラリアでは全国的にほぼ感染の封じ込めに成功したように見えていましたが、6月中旬に発生したビクトリア州のメルボルン及び周辺地域の感染拡大は、8月現在も続いています。
現時点では大規模感染拡大が続いているのはメルボルン及び近郊のみで、ビクトリア州の他の地域、及び他州では大規模な感染は発生しておりません。
■ COVIDSafeアプリ
4月26日、オーストラリア連邦首相府及び保健省より、コロナウイルス感染者との濃厚接触歴を記録する機能を持ったスマートフォン用アプリ「COVIDSafe」の立ち上げが発表される。
このアプリのインストールは強制ではありません。
このアプリでは感染者との濃厚接触が判明した場合、アプリ利用者に対し、保険当局を通じ連絡が入る仕組みです。
5月8日の段階で540万ダウンロードを記録、これは14歳以上のスマートフォン保有者の29%に相当します。
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〔7月22日追記〕
このアプリが6月からのビクトリア州・メルボルン及び周辺地域における感染再拡大、及びニューサウスウェールズ州のシドニー郊外のクラスター発生時に、全く機能していなかったことが報道されました。
また、このアプリが現政権与党の進歩党に関連するソフト会社によって開発され、このアプリの広告に6,400万ドル(約50億円)かけれたこともあわせて報道されています。
7月現在のアプリダウンロード数は約660万、人口比率で約26%とあまり伸びておりません。
また、COVIDSafeアプリの追跡結果がゼロのために「数千万ドル」のコストがかかった可能性があると報じられています。