【業界へのメッセージ】チャイナ エアライン 日本支社長 張鴻鐘氏
「緊急事態宣言。」今年、こうした言葉が世界各地で広く使われることになるとは、誰が予想をしていたでしょうか。私共の産業にも甚大な影響を及ぼし、先が見えない状況の中、皆様の心労も計り知れないものと拝察申し上げます。
ご存じの通り、台湾では「台湾モデル」と呼ばれるウイルスの封じ込め対策が功を奏し、感染者の抑制に成功しております。そして、現在では経済活動も回復し、台湾国内の観光需要も盛んになって参りました。
弊社も台湾の航空会社として、ご利用いただくお客様の健康を第一に考え、各種感染予防対策を実施しております。運航終了後に、旅客機用消毒洗浄剤(Calla1452/Ardrox1820)を使用し、30分間で客室を完全に消毒をした後、空調システムの消毒や、お客様が接触する可能性のある全ての部分についての消毒を徹底的におこなっております。
また、機内を循環する空気はHEPA(医療用高性能フィルター)で濾過し、ウイルスを99.99%除去することで、清潔な状態を保っております。今後も弊社では、感染症対策に万全を期して参ります。
さて、日本における台湾向けマーケットに目を向けますと、台湾観光局によるB2B及びB2Cのオンラインセミナーや各種イベントが頻繁に開催され、このコロナ禍でも、常に台湾に触れることの出来る環境をご提供いただいております。
また、最近日本では、「台湾ロス」という言葉をよく耳にするようになりました。これは、幅広い年齢層の台湾愛好家の方々が、台湾に容易に行くことが出来なくなった喪失感を表す言葉です。台湾ロスを抱えた方から直接お話を伺う度に、その台湾に対する切実な思いに胸が熱くなります。そして、このロスは台湾のみならず、各国でも同様に発生しているものと思われます。
現在のコロナ禍では、どうしてもネガティブなことばかりに目が向きがちですが、今はポジティブに「何か出来ることはないか」と自問する時ではないでしょうか。また、一社では成し得ないことでも、業界全体で知恵を出し合うことによって、実現出来ることも多々あるかと思います。
皆様と一緒に、この長いトンネルの先に広がる素晴らしい景色を、この目で見る日が来ることを切に望んでおります。