「廃業・倒産の可能性」減少?
アンケート結果から見える事・見えない事
今週、旅行業界向けアンケート第三弾の結果を公開いたしました。人員削減や給与カットの可能性に関して今回は約2割の方が「はい」とお答えになっており、アンケートの回を追う毎にその率は上がっています。
今回はじめて質問項目に加えた「オフィスの縮小・撤退」に関しては「検討している」が6割近く、回答者の先行きに対する不安が如実に表れていることが見て取れます。因みに当社も恒久的な在宅を基本とする働き方への移行に伴い、東京本社・大阪支店・シンガポール現法合わせて500坪強でしたが、年内に移転し計100坪以下となります。
一方「廃業・倒産」の可能性に「はい」と答えた方は一回目20.4%、2回目14.8%、今回10.8%と減少傾向を示しています。これが実態を表しているならば喜ばしい限りですが、この数ヶ月で明らかなプラス要因はGo Toトラベルキャンペーンのみ、その他は雇用調整助成金の特例期間延長やその他助成金関連などの延命措置以外、観光産業を取り巻く環境自体に大きな改善は見られず、直接・間接に廃業の予定はかなり耳にしており、皮膚感との乖離を感じます。
既に廃業された或いはする事をお決めになった方々は弊誌の購読をお止めになっている=アンケートに回答されない、そもそも廃業や倒産は典型的な遅効指標で有る等々が理由として考えられるかも知れません。
一方、Go Toトラベルキャンペーンに東京が加わる、一部の国では日本人の入国に際して制限を撤廃或いは緩和、一部の企業が条件付きでは有るものの海外出張を解禁等、微かですが光明が見え始めているのも影響しているかも知れません。
しかし、率直な私見としては、今のままでは残念ながらこの程度の廃業・倒産で済むはずが無いと思っています。最早、コストカットと資金調達は待ったなしと言うのが現状だと思います。来週のこのコラムでは転居に伴うコストカットの方法や不動産市況、観光産業への貸し渋りや、資本増強に繋がる「資本性劣後ローン」等に関して書かせて頂きます。
いずれにしても観光産業を取り巻く環境はまだまだ厳しいため、出来る限り実態を捉え、周知していく努力を継続致します。