【コロナに負けず】大阪・北新地「サクラBAR」オーナーの大賀圭一朗氏

外食産業のコロナ対策 旅行業界との協業も

━コロナによる需要減退に直面し、どのような感想を持たれましたか

大賀 私自身このような事態になることは全く想定していなかったのですが、実のところ飲食店業界自体がコロナ以前からなんとかギリギリで成り立っていたことに改めて気付かされました。例えば利益率を考えた時に、今後は原価や賃料、人件費を引いて最低でも2割が残るような形でないと非常に厳しいと思います。私のお店でもその利益率を確保するために商品の値上げ、もしくは原価などの削減を考えなければいけません。

━コロナ後を見据えて、敢えて今、新たな挑戦をされようとしているとお聞きしました。その挑戦の具体的な内容を教えてください
準備を進めているビル

大賀 これからの飲食業界の在り方に沿った挑戦をしようと考えています。コロナによって一気に定着したテイクアウトやデリバリーですが、例えばテイクアウトを利用する際に、複数の店舗で商品を購入したい場合、当たり前ですが複数店舗への移動が強いられます。

 そこで複数店舗の商品を一つの場所で購入出来るお店を作ってしまえば良いのではないかと。そこには私達が調理した商品もそうですが、スーパーで購入するような食材なんかも取り揃えることによって、日用品の買い物も一括で出来る店舗にしようと思っています。また、デリバリーも同じ場所から複数店舗の商品をお届けしますので、届くタイミングが異なることもありませんし決済も一括で行うことが出来ます。

 実際に現在そのサービスを始めるためのビルの改修工事を進めています。3フロア借りているのですが、1階で店舗運営を行い、2階~3階は1階に入っていただく飲食店の宣伝や、レトルト商品の活用方法など様々なプロモーションの場にしていきたいと考えています。

 元々はコロナ流行後すぐに私のお店でテイクアウトとデリバリーのサービスを始めたのですが、正直なところほとんど利益にはなりませんでした。ただ、折角始めたのであれば、コロナ渦で定着したZOOMやクラウドファンディングなど様々なリソースを活用しながら一つの形にしてみたいなと考えました。