主要48社、3月はコロナで取扱額71.4%減に-通期は8.4%減
観光庁が取りまとめた主要旅行会社48社の今年3月の旅行取扱概況によると、海外旅行、国内旅行、外国人旅行を合計した総取扱額は前年比71.4%減の1200億3565万円となった。48社のいずれも新型コロナウィルスの感染拡大による影響を受けて大きく減少しており、内訳は海外旅行が84.7%減の255億8921万円、国内旅行が63.7%減の916億2967万円、外国人旅行が71.4%減の58億1676万円。
海外旅行を取り扱った42社はすべてが減少し、減少幅が50%を超えなかったのは3社のみ。最も小さく抑えた西武トラベルでも16. 8%減となった。昨年3月の取扱額が10億円を超えた企業では、旅工房が最も減少幅が小さかったが、それでも68.7%減だった。
国内旅行についても、取り扱いのあった47社はすべてが減少。減少幅が50%を超えなかったのは4社のみ。昨年3月の取扱額が10億円を超えた企業では、JTB(11社計)の減少幅が最も小さく、50.5%減だった。外国人旅行を取り扱った会社数は26社にとどまり、前年を上回ったのは取扱規模が比較的小さい読売旅行と京王観光の2社にとどまった。
募集型企画旅行については、海外・国内・訪日を合わせた取扱額は76.0%減の319億4305万円、取扱人数は77.3%減の84万2344人だった。このうち海外旅行は78.1%減の85億917万円で、取扱人数は84.3%減の3万3016人。
19年度通年は3社のみ増加-海外は旅工房やエアトリなど5社
2月以降の大幅な需要減を受けた結果、2019年度通期(19年4月~20年3月)の主要旅行会社48社の総取扱額は8.4%減の4兆2913億156万円となった。内訳は海外旅行が10.0%減の1兆5108億8891万円、国内旅行が8.3%減の2兆5807億9267万円で、唯一増加した外国人旅行は4.9%増の1996億1998万円だった。
総取扱額が増加したのは13.1%増の330億2306円となった旅工房など3社のみ。海外旅行は46社中、同社に加えてエアトリ、ANAセールスなど5社が増加した。国内旅行は47社中エヌオーイーなど3社が増加。外国人旅行については取り扱いのあった33社中、約半分の16社が増加した。3月と通年の詳細は記事下のエクセルファイルの通り。
なお、観光庁による旅行取扱概況速報は長らく50社を集計対象としてきたが、18年6月に楽天、昨年11月にエイチ・アイ・エス(HIS)がそれぞれ取扱額を非公開とし、現在は48社のみとなっている。HISは単独で「旅行取扱高月次速報」を発表しており、3月分についてはすでに発表している(関連記事)。