コロナ禍でも日本線の運航継続、その意義は-ルフト支社長に聞く
羽田/フランクフルト線を週3便で継続
オートリファンド停止に関する見解も
新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の拡大は、世界中の航空会社の経営状況を危機的なものにしている。世界有数の航空会社グループであるルフトハンザ・グループも例外ではなく、現地ではドイツ政府に1兆円規模の公的支援を要請したなどのニュースが報じられている。
一方で同社は、今も欧州系の航空会社では珍しく日本路線の運航を継続しているが、その理由やねらいは何なのか。今後の需要回復の見通しや、さらには同社グループも実施しているオートリファンド停止などのトピックとともに、日本・韓国支社長を務めるドナルド・ブンケンブルク氏に話を聞いた。インタビューは書面で4月末に実施した。
ドナルド・ブンケンブルク氏(以下敬称略) ルフトハンザ・グループは3月末からの夏ダイヤにおいて、ルフトハンザ・ドイツ航空(LH)、オーストリア航空(OS)、このほど新たに関空/チューリッヒ線を加えたスイス・インターナショナル・エアラインズ(LX)の3社で、合計週45便を運航する予定だった。しかし現在は大幅な運休と減便により、B747-8型機で週7便を運航していた羽田/フランクフルト線をA340-300型機に小型化し、特別に週3便のみを運航している。
ブンケンブルク LHは1961年から日本路線を運航し、多くの方々の移動に貢献してきたが、COVID-19の拡大を抑えるために日本と欧州で入国規制が発効してから、多くの日本/欧州間路線が欠航になった。しかしルフトハンザ・グループは、このような状況でも日本市場へのコミットメントを示したいと考えているので、他の航空会社が欠航していても運航を継続している。
週3便の特別便では、主に日本または欧州への帰国需要に応えている。国土交通省の航空局とは緊密に連絡を取り合っており、到着時の機内クルーの手続きや、機材変更への対応などで多大なご支援をいただいている。