日本も発着枠使用基準を緩和、コロナで「U/Lルール」一時停止
国土交通省は3月16日付けで、日本発着の国際線を運航している各国の航空会社に適用している「Use it or Lose it rule(U/Lルール)」を5月末までの期間限定で停止した。同ルールは、発着枠の80%を使用しなかった航空会社が次回の割り当てを受ける権利を失うもので、今般の新型コロナウイルスの感染拡大による世界的な航空需要の急減を受けての措置。
U/Lルールについてはこのほど米国や欧州連合(EU)も、同様の一時停止を発表したところ。なお、本誌の取材に応えた国交省航空局によれば、今回の措置は必ずしも海外の動向に準じたものではなく、すでに中国については2月7日付け、韓国については3月6日付けで先行実施していたという。
日本では、混雑空港のうち国内線のみ発着している伊丹を除く、成田・羽田・関空・福岡の4空港からの国際線について、新型コロナウイルスの感染拡大が運休や減便の原因と認められ、加えて相互主義により、相手国においても同様に使用基準緩和が実施されることなどを条件として、U/Lルールの適用を一時停止する。現時点で5月末までとしている期限については、今後の状況次第で延長する可能性があるとしている。
欧米などでは現在、航空会社が発着枠を維持するために乗客をほとんど乗せずに運航する「ゴーストフライト」が増加。航空会社の経営維持のみならず温室効果ガスの排出抑制の観点などからも問題視されており、16日にはワンワールド、スカイチーム、スターアライアンスの3大航空アライアンスが共同で、各国政府などに支援を求める声明を発出している。