香港最新レポート、「拍子抜け」するほど平常、新施設の開業も
「アート&カルチャー」中心に投資着々
2月からはメディア露出など強化
人の少ない今だからこそ
香港島では、ピークトラムでビクトリア・ピークへ登って2019年7月にリニューアルオープンした「ピーク・ギャレリア」を訪問した。ピークトラムは、2021年にかけて1便あたりの乗車人数を現在の120名から210名に増やす工事を進めているところ。これに合わせて、現在は乗り場の位置が山頂に向かって従来よりも左奥へと変わっているので注意が必要だ。
新生ピーク・ギャレリアの展望台は無料で入ることができ、十分な眺望を楽しむことが可能だった。昨今の香港について届く情報はデモ関連のものが多くネガティブな印象が強かったが、実際には先述の「M+」も含めてあちこちで開発や再開発が進められており、都市としての活力はなんら落ちていないと感じる。
ちなみに、いつも大混雑のピークトラムはチケットをたった数分で入手でき、乗車時も1台目に乗ることができた。これは当然デモの影響で現地側には歓迎できない話ではあるものの、利用する側からすればとても楽。こうした過ごしやすさは他の場面でも感じる機会が多々あり、出発前から聞いてはいたものの、実際に体験してみると空いているうちにまた来ておいた方がいいと思ってしまうほど快適だった。
中環には「大館」開業、街歩きの休憩スポットにも
続いて向かったのは、HKTBが17年から「オールド・タウン・セントラル(OTC)」と命名してプロモーションしている中環エリア。今回の視察では、2018年5月末に開業した「大館」を訪れた。大館は、もともと中環警察署やそれに付随する施設群だった建物をリノベーションした複合施設だ。
OTCには、既婚警察官の宿舎だった建物を改装し多くの小規模ショップを入居させた「PMQ」が先行オープンしていて、大館も同じような商業施設と想像していたがさにあらず。もちろんファッションや雑貨の素敵なショップも入っているがそれだけでなく、往時の警察官の働き方や囚人の生活を直感的に学べる展示があったり新たにギャラリーが設置されたりするなど、こちらもアート&カルチャーの特徴が色濃く出ている。
居並ぶ建物は英国統治時代の面影があり、迷路のような通路を散策するだけでも旅情が感られる。OTCの街歩きが好みの層にとっては1時間いても足りないかもしれない。中庭にはベンチなども多く配置されていて休憩場所としても極めて優秀だ。PMQから大館までは徒歩で5分程度。同エリアの散策がまたひとつ充実したと言えるだろう。
オーシャンパークでショー開始、ウォーターパークも開業間近
オーシャンパークでは、この1月10日から開始したばかりの新しいショーを鑑賞する機会を得た。ショーは2種類で、いずれもモントリオールを拠点として活動するデジタルアート集団「モーメントファクトリー」が手掛けたもの。パフォーマーによるダンスに音楽、プロジェクションマッピング、レーザー光線などを駆使し、子供から大人まで楽しめる内容だ。ショーの開始に合わせて営業時間も延長され、特別パッケージも設定された。また、同施設では全天候型のウォーターパークも建設中で、年内に営業開始予定という点も新しい動きだ。
なお、新型肺炎への注目が高まるなか、香港では香港ディズニーランドと香港オーシャンパークがともに臨時閉園を決めているが、HKTBによるとこれらはSARSの経験から水際対策を強化することが目的という。