ANAセ、新ブランドで前進へ、価格変動商品や手ぶら旅行を投入
ANAセールスは12月3日、都内で「ANAトラベラーズ 新商品・サービス発表会」を開催した。「ANAトラベラーズ」は昨年11月に発表してこのほど1周年を迎えた、ANAグループの海外・国内ツアー商品や各種サービスなどを総称するブランド。同社は11月末に、2020年度以降は現在の海外旅行ブランド「ANAハローツアー」と国内旅行ブランド「ANAスカイホリデー」の各ブランド名を使用せず、「ANAトラベラーズ」に統一することを発表したばかり(関連記事)で、冒頭で挨拶した同社代表取締役社長の宮川純一郎氏は、「皆様にさらに愛される旅のブランドをめざし、商品作りに努める」と強調し、今後は新たなサービスを次々と投入し、変革に努める考えを示した。
全日空(NH)が日本航空(JL)と同様、来年3月末に旅行会社向け国内線運賃に変動型運賃導入を予定していることを受け、価格固定型のパンフレット商品に代えて販売を開始する「ダイナミックプライシング型旅行商品」については、「旅行会社の店頭でも販売できる仕組みをマーケットに先駆けて導入する」と説明。新たな商品の予約は出発の355日前から前日まで可能で、旅行会社は空席情報に連動して最後の1席までを店舗で販売できるという。一方、新商品では待ち予約はできず、取消料は出発の355日前から発生。なお、ウェブサイトで販売中のダイナミックパッケージ商品の「旅作」については3月末で販売を終了し、その後は新運賃による「ANAトラベラーズダイナミックパッケージ」を発売するという。
この日の発表会ではそのほか、新たなサービスとして「ANA手ぶら旅行サービス」「ANAシェア旅」の2つを紹介した。本日から提供を開始した「ANA手ぶら旅行サービス」は、旅行に関するさまざまなアイテムを宿泊先で貸し出すもので、同社旅行戦略部長の田部敏之氏によれば、業界初の取り組み。プロスタイリストのコーディネートによる旅先の気候などに適した服や靴、一眼レフカメラ、美容家電などの予約を事前にオンラインで受け付け、宿泊施設で貸し出す。協力する企業は、富士通やバーニーズジャパン、キヤノンマーケティングジャパン、美容機器メーカーのクレイツ、宅配クリーニングの東田ドライなど多岐に渡る。田部氏は新サービス開発方針について「今までの旅とはひと味違うイノベーションを起こしていきたい」と語った。
「ANAシェア旅」は昨年9月にシェアリングエコノミー関連企業の協力のもと開設したポータルサイト「ANAシェア旅~Look for your style~」の取り組みを発展させたもの。「モノ」や「コト」などのシェアサービスを提供した人に、謝礼として全日空(NH)の航空券や「ANAトラベラーズ」の商品の支払いに使える旅行券を提供する。地域体験のマッチングプラットフォームを提供するTABICA、繁忙期の農家と農作業希望者をマッチするシェアグリ、外出する飼い主とペットの預け先をマッチするDogHuggyの3社が協力する。なお、これらの2つのサービスは、当面は国内で展開する予定。
この日の会見ではそのほか、NHのテレビCMなどに出演している女優の綾瀬はるかさんを、旅行体験の責任者である「チーフ・エクスペリエンス・オフィサー(CEO)」に任命。綾瀬さんも手ぶら旅行やシェア旅のメリットをアピールした。
訂正箇所:第2段落最終文
「旅作」の販売終了後に発売する「ANAトラベラーズダイナミックパッケージ」に関する情報を追記しました。