旅行者の「体験」に焦点-トラベルポート、次世代プラットフォーム開発も
[上海発] トラベルポートは11月20日、上海でGDSなどの顧客を対象としたイベント「Travelport LIVE APAC 2019」を開幕した。21日にかけて開催するもので、同種のイベントは各地で開催しているものの、アジア太平洋地域(APAC)は同社が最も力を入れるだけに規模は最大。今年はトラベルポート関係者とサプライヤーを含めて約500人、日本からは20名強が参加している。
今回のテーマは「Experience is Everything」。ミレニアル世代を中心にますます体験/経験(エクスペリエンス)を重視する消費者が増えるなかで、トラベルポートがどこを見てどのような戦略で開発を進めているのかをアピールするねらい。
冒頭に登壇したCCOのニック・ダグ氏は、モバイルやパーソナライゼーション、そして音声やPC、モバイルなど販売チャンネルの多様化、ソーシャルメディアなどのキーワードを列挙したうえで、ある調査でミレニアル世代とジェネレーションX(1960年代から1980年代生まれ)の50%が「旅行に行くためなら洋服や家具を売る」と回答したことを紹介。
そのうえで、「(情報を)パーソナライズして複数のチャネルで一貫して提供し、さらにソーシャルメディアに紐付ける。これが旅行業界で生きる我々のチャレンジ」と強調した。
また、APACマネージング・ディレクターのマーク・ミーハン氏は「エクスペリエンス・エコノミー」をテーマにプレゼンテーションを実施し、業界内でのトレンドを紹介。シンガポール政府観光局によるVR機器を活用したプロモーションや、地元住民と食卓を共にするプログラムなど「ローカル主導の体験」が増加傾向にあり、さらに旅行先としてもこれまではさほど人気のなかった「エキゾチック」なデスティネーションが選ばれることも増えているという。