ツアコンオブザイヤー、EXPOで表彰式-受賞者が語る添乗の魅力と可能性も

  • 2019年12月2日

旅行業に「夢」を、後輩には「継続」呼びかけも

JTBの安田由佳氏

 さらに、「旅行業界に対して改善点を述べるなら?」という三橋氏の質問には、高橋氏が解答。「現在、旅行業界の魅力が下がりつつあることに懸念を抱いている。厳しい言い方にはなるが、添乗員を生業とするために十分な収入を得られているのだろうかと気にする時代になった。複数の仕事をしながらやれるメリットもあるが、専任添乗員をするにあたってゆとりを持って生活できるシステムづくりが必要だと考えている。若い方々が魅力を感じられる業界になって欲しい」と述べた。

 続けて若い世代へのメッセージとして桝井氏は、「旅行には夢があるというイメージがあり、そこから添乗員生活がスタートした」と自身の経験を述べた。「旅行は笑顔で楽しくいられる職業だから、若い世代の皆さんにもぜひめざしてほしい。そのために、添乗員の地位が上がればなおうれしい」と語る桝井氏。「若いうちはさまざまな職業を試したい気持ちもあるだろうが、継続も大事。これから添乗員になる方は、原点を見失わず継続してほしいと思う」とアドバイスした。

エジプト考古学者の吉村作治氏も審査に参加。「今年は、独自の企画や教室を開催するなど社会との繋がりを重視して活躍した方を中心に選考した」とし、「今回選ばれた人は、本物のおもてなしを実践している人だと考えている」と称賛

 安田氏は添乗員の仕事ついて、人種や性別、年齢、そして環境の異なる顧客にこれだけ出会える仕事はないと指摘。安田氏は旅に出る度に「安田ノート」という旅の記録を付けているといい、安田氏はこのノートを“一生の宝”と断言。「こんな財産を持てる職業は他にない」と語った。また、「旅行者にとっては一生に一度の旅だが、それは私も同じこと。たくさんの人に出会い、いろいろな気持ちを共有し、時をともにする。見たことのないものを毎回感じることができる。旅はひとつの人生のようなものである」とまとめた。