大韓航空、乗務員が呼吸困難の日本人女児救助、「訓練の成果」
韓国ソウル金浦空港出発、関西空港行きの大韓航空KE739便(機材ボーイング777-200)機内で緊急患者(日本人12歳女児)が呼吸困難を発生し、同社乗務員が応急処置して一命を取り留めたことが23日に分かった。
大韓航空機が着陸態勢に入ってまもなく、エコノミークラスの中ほどに搭乗していた日本人の女児(12歳)が呼吸困難を起こした。乗務員が直ちに様子を確認したところ、気道が閉塞し、呼吸困難を起こしている状況だった。
乗務員は直ちに救命措置を開始。ハイムリッヒ法(両腕で患者を後ろから抱きかかえ、拳を臍とみぞおちの中間に置き、両手で強く押し上げるように圧力を与えて異物を抜き取る措置)を施したが、その時点では意識は戻らなかった。
緊急事態発生直後より、機内では医者を探す案内放送を行ったしかし、残念ながら医者の搭乗はなかった。
乗務員は、呼吸停止時間が長くなると危険であると判断し、粘り強く応急処置を続けたところ、患者の胸部で空気の音が小さく聞こえた瞬間、患者の呼吸が戻った。その後、乗務員の問いかけへの反応があり順調に回復した。
乗務員が患者の両親と口の中の異物を確認したところ、女の子の気道をふさいでいたのは抜けた奥歯の乳歯であったことが分かった。
その後は運航乗務員を通じて空港のゲートに車椅子を用意させ、到着後すぐに下りられるように機内の座席の最前方に患者とその家族が座れるように手配した。午後6時23分に着陸した時点では、女の子は介助なしに自分で歩けるほどに回復していたが、大韓航空はすぐに病院の緊急治療室を訪問するように案内した。
「約30分の緊迫した時間の中でKE739便の客室乗務員が貴重な命を救うことができたのは、機内で発生する可能性のあるさまざまな緊急事態に備えて着実に訓練を重ねてきた結果だ」と大韓航空。
また、「喉をおさえて呼吸困難を訴えるのは気道閉塞の一般的な症状です。乗務員は普段のトレーニングで体得した内容をもとに、患者の状態を迅速に把握し、適切な応急処置をすることで、命を救うことができた」とコメントを出している。
大韓航空では、機内で緊急事態が発生した際に、客室乗務員が連携してそれぞれの役割を果たすことができるように教育している。また、全ての客室乗務員を対象に、年1回の定期安全教育で応急処置法、心肺蘇生法(CPR)と自動心臓パドル(AED)の使用方法の実習など機内の航空救急に関する体系的な教育を実施している。
「機内の緊急事態でも希望を捨てずに献身的に対応した結果、乗客の貴重な命を救うことができた今回のKE739便の事例のように、皆さまが安心して大韓航空機を利用できるように最善の努力を続けていく」と、今後も訓練を重ねていくと大韓航空関係者。
情報提供:トラベルニュース社